2000年2月ハンギョレ21 297号

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主流市場を抜け出した漫画家たちがインターネットで合流… 驚くべき想像力で形式破壊実験

hangyore00297_1.jpg (31409 バイト)(写真/イ・ギョンソク<パルチザン チルボキ>)

さる、2月18日異色の漫画サイトが門を開いた. カートゥーンP(www.cartoonp.co.kr)という名前のこのサイトは‘国内最大最高’であることを自任しているが、作品は風変わりで慌ててしまう. 奇異なキャラクターと、大それた内容が長編劇画漫画にしつけられてきた読者たちの気持ちを落ち着かなくする. 奇怪な絵画作品を見るようなグロテスクな作品からトイレの落書のような筆記体まで、多様なこれらの絵体は、既存漫画の鋭いペンさばきから抜け出している. 9頭身のすらりとして溌剌なハンサム・美女はいなくて、キャラクターたちは誇張されたり変形されている. 可愛くない程に善良でもないキャラクターたちは、セックスと暴力, 排せつ物, 死のような、タブーの話を “So What?”(それが何だというのだ)という言い方でひっくり返す.

“漫画とは、子供なんかが見るもの”という考えをいまだに捨てていない人々には衝撃に近い、この不純なサイトは, しかし、いわゆる‘非主流’漫画界では既に実力を認められた、20〜30代の漫画家たちの総集合所だ. ソ・ボンガン, イ・エリム, イ・ギョンソク等、若い漫画ファンに熱烈な支持を受けている20人の作家たちは、関連分野専攻の手硬い実力と‘斜視’精神で武装した漫画ゲリラたちだ.


おかしなキャラクター, 'カートゥーンP'に皆集まった

(写真/ソ・ボムガン<花を咲かせる>)hangyore00297_2.jpg (26650 バイト)

“漫画とは可愛くなければならず、明るかったり、または悲壮でなければならない”といわれてきた漫画家たちがインターネットで活発な活動を繰り広げている.
96年に雑誌として創刊されたが、98年、ウェブジンに転換した<ファックン>(www.hottoon.net)と、昨年登場した<コミックス>(www.comix.co.kr), そして<カートゥーンP>は代表的な非主流漫画サイト. その他にも、ポップカルチャーを標ぼうするウェブジンと漫画サイトで、新しいスタイルの漫画が続々登場している.
出版社の高い門の入口と漫画雑誌編集長の修正要求, そして、流通の壁がないウェブ空間で“私が描きたいものを描く”という、作家主義漫画が翼を広げているのだ. ロマンスや学院暴力物, コミック物等、主流の何もならない幹から抜け出し、ある作品はアンダーグラウンド漫画, またはインディ漫画と呼ばれることもある. このような非主流漫画は、主流漫画の常識と慣習を徹底的に排除する. 進んで正義や愛, 家族のような社会の常識と慣習を転覆する.

米国アニメーション<ピビスとバターヘッド>を連想させる、パンク的なキャラクターを 登場させるイ・ギョンソクは、<金剛保安警と越境騒動>や<模範王>ではギャグ的な方式で、警察や検閲官, 教師などが象徴する‘権威’を露骨に揶揄する. 彼のギャグは、ヘソのごまで窒息死させたり、土砂で食べ物を作って食べる等、常識を跳び越えるほど浅はかなユーモアだ. 別名‘魔女漫画’で知られたイ・エリムは、妻を食べさせるために人々を殺して持ってくる夫とか, 男がどんなにひどく虐待しても、卑屈にすがる女を登場させながら、私たちの頭の中にある男性性と女性性, ロマンスとセックスに関する通念を解体する. パク・ヒョンドンの<滅共少年 セドリ>は粗悪で幼稚な文体と<配達の騎手)>のうに、反共イデオロギーを戯画化する. いくらか前から‘タンジ日報’で イ・ウイルが連載している<尊皮軍>では、男女の性器が自由に変形して、無限に拡張しながら性に関する密室の話を広場に引き出している.
形式破壊と不埒な想像力で主流漫画のルールを打ち壊す、漫画実験の登場は短くはない歴史である. ロバート・クラムを大父とする米国のアンダーグラウンド漫画が、60年代ベトナム戦反対運動とヒッピー文化の熱風で芽生えて開始して、全協闘世代と共に新しい形式の日本漫画が生まれたごとく、私たちの若い漫画家たちの冒険は、80年代民主化運動と時を共にする.
民主化の熱気の中で起きた、権威主義秩序に対する反旗は、美術運動陣営側から民衆漫画運動に火を付けた. キム・ファンヨン, ジョ・ナムジュン, チェ・ホチョルなどが参加した‘作画工房’は、リアリズムを基盤とする政治的な漫画作品を披露した. この時期の作品が‘漫画’という媒体に基盤を置く芸術的実験に近かった反面、88年に結成された‘ネモラミ’は、本格的な漫画実験の先駆者集団として指折り数えられる. 弘益大デザイン系列の専攻者たちが作ったこの漫画サークルは、60年代米国アンダーグラウンド漫画とメビウス, ジロ等、ヨーロッパ アート漫画作家たちから受けた影響とグラフィック的な感受性で、以前の漫画では見ることができなかった独特のスタイルを見せた. 今はスター級漫画家になったイ・ウイルとホン・スンウ, イ・グァンヨン, TTL 広告を監督した パク・ミョンチョンなどが草創期のネモラミ出身だ.


民主化運動の産物として、80年代に芽生えた非主流

hangyore00297_3.jpg (33706 バイト)(写真/イ・ヘギョン<毛>)

94年に登場した‘漫画実験-春’と、その後をつなぐ‘ヒステリー’(97年)は、ネモラミの形式実験を内容的に拡張したという評価を受けている. シン・イルソブとカン・ソンスが主軸になっていたヒステリーは、90年代に吹き始めたパンクロック文化と結合しながら、下位文化の荒くて暗い世界を主に描いた. <コミックス>は、季刊で発行されたヒステリーがウェブサイトに進化したもので、シン・イルソブ, オ・セウクなどのヒステリーメンバーに、ユ・チャンウン等、既成漫画雑誌で活動した漫画家, ソ・ボムガン等、多様なスペクトラムの新進作家が合流し、現在、20余名の漫画家が連載している. ‘多様な非主流漫画文化を紹介する作家主義雑誌’を標榜するコミックスは、国内インディ漫画を紹介するだけでなく、代表的な日本インディ漫画雑誌の<アックス>(<ガロ>の後身)と交流する等、インディ漫画界の国際連帯のための活動を繰り広げている. また、今月から<インディコミックス>という名前で、毎月二巻ずつ非主流作家たちの作品集を出しながら、もう少し積極的な読者探しを繰り広げる計画だ.

90年代中盤から登場した、<紙切れ>等の非主流漫画界の嘱望を受ける雑誌が創刊号を兼ねた廃刊号発行を繰り返すなかで、<ファックン>は、これからの代表的な‘低予算独立漫画’の開放役の位置を占めている. キム・ギョンホの<帰ってきたジョーダン>, ホン・ユンピョの<天下無敵ホンデリ>は、こ ウェブジンの代表的な人気作品だ.

物質的圧迫と検閲, 削除の脅威がないウェブ空間がインディ漫画家たちの活動空間をひろめることはしたが、主流漫画の一方通行の漫画市場構造で、若い作家たちの活動は相変らず限界がある. 最小限の原稿料も入るのが難しい現実で、大部分の作家は、他の職場を持っていたり、専業のためにはアルバイトで荒仕事でもしなければならない状態だ. 視覚デザイン専攻後、広告会社で仕事をしている途中で漫画を描くために放棄したイ・ギョンソク氏は、現在、新聞配達をしながら新聞販売所で宿泊問題を解決して作業をしている. ゲームセンターを運営しながら<コミックス>を製作しているシン・イルソブ編集長は、“インディ漫画家が大きな流れとして定着するためには、実力のある作家が増えることができるように、再生産構造が作られなければならないのに、現在は多くの漫画家がはじめのうちは情熱的にしているが、途中で抜け落ちて、イラストやアニメーション等の他の分野に抜け出ているのが実情”と吐露する.

“現在の非主流作家を韓国の代表作家に育てる”という、野心に充ちた目標の下に作られた<カートゥーンP>は、インディ漫画家たちの劣悪な作業環境を改善するのに努力している. 一次で選抜された20人の固定作家たちに、毎月一ケ月分の原稿料を前渡支給する運営方式は、インディ作家の士気を大きく鼓舞している. <カートゥーンP>のイ・ミョンホ代表理事は、“個性のある漫画が非主流で残るほかないという、わが国の出版の畸形的構造のためだ. <カートゥーンP>は、広告, キャラクター等、関連産業への拡大を通した、積極的なマーケティングで、作家たちに返る持分を高めて, 日本漫画を摸倣したり、工場式に漫画を作らなくても、作家として成功できるということを見せる”と、意志を明らかにする. <カートゥーンP>は、次月から450万の会員を持っているチャットサイト‘スカイ ラブ’とリンクし、日本漫画家たちとの交流も推進している.


インターネット媒体の特性を生かした作品とは


漫画評論家のイ・ミョンソク氏は、“非主流漫画が成長するためには、日本のように主流漫画の幅が広く、作品水準が高くなければならない”としながら、“過度に幅が狭くて、作品層もまた薄い主流漫画に対する問題提起が先行するべきこと”だと指摘する. イ・ミョンソク氏は、また、インディ漫画の課題として“紙の媒体ではなくてウェブを選択するという現在の水準でなく、ハイパーテキストやインタラクティブという、ウェブの特性を利用する漫画が登場してこそ、新しい非主流漫画の芸術的価値や進歩性を論ずることができる”と診断する.

来る4月には、漫画評論家 パク・インハ氏を中心に、イ・ウイル, ジョ・ナムジュン, カン・ソンス, イ・グァンヨン等、既に主流漫画界でも認められた漫画家たちが集まり、自分たちの漫画的想像力の極限を見せるサイトをオープンする予定だ. 非主流漫画の新しい跳躍を準備している、これらの動きが2000年代漫画界の初めての突風を吹かせることになるのか、見守ろう.

キム・ウンヒョン 記者
dmsgud@hani.co.kr


ハンギョレ21 2000年 03月 02日 第297号 .



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