2000年7月ハンギョレ21 317号

企画: 漫画房の収入源はラーメン?


主力商品よりも収益が適当においしい補助商品… 脱税・便利な方法の温床になる危険性も

hangyore00317_1.jpg (24848 バイト)(写真/漫画房(註:マンファバン.漫画本をその場で読ませる一種の貸し本屋)を食わせる商品は? 漫画房の主人には、漫画よりもラーメンが孝行息子だ. マンガ本10冊を読ませて得る収益が、ラーメンなら一杯だけを売っても出てくるためだ)

漫画房. 歯車のように反復される日常から少しの間抜け出して、ささやかな時間を送る小市民の空間だ. ふかふかしたソファーに埋もれてマンガ本を掴んでげらげら笑う楽しさこそ、漫画ファン達にとっては、生活の中の小さな幸福のひとつだ. 漫画と間食を一緒に楽しむことも、漫画房を訪れる人たちには、大きな楽しみだ. 漫画の面白さに陥っていく瞬間, 鼻先に流れるなつかしい臭い. 韓国の人々の永遠の間食, ‘ラーメン’の臭いだ. 空腹でなかった人も、近くの座席でラーメンを食べられると、突然、ラーメンが食べたくなるようになっている. それで、誰かがラーメンを食べると、あっという間にあちこちから注文が続いて出る. “おじさん, ここにもラーメンを1杯ください.”


巨大産業にも ‘親思い商品’


もちろん、漫画房とは、漫画で食べて生く商業空間だ. しかし、漫画房の本物の収益は漫画ではない. 漫画房も主人の生計を維持してくれる主力商品は、まさにラーメンだ.

漫画房に置かれるマンガ本一冊は、普通3千ウォン. 漫画房でマンガ本を一冊読む価格は、普通300ウォンだ. 本一冊で元手をとって収益を出すには、最小限、回転数が20回にはならなければならない. 本一冊を二〇人が読んだ後から収益が残るという計算だ. しかし、これが容易ではない. マンガ本の寿命が非常に短く、新刊でも一ケ月過ぎただけで、探す客がほとんどなくなる程だ. また、最近、漫画房が貸出料を1冊ごとにもらうのではなく、時間当り 1千〜1500ウォンを受け取る場合が多くて、漫画だけで収支を合せようとするなら、一日の客が数百人はなければならない.

ラーメンは、こういう難しい収益構造を埋める孝行息子だ. 京畿道 議政府市で漫画房を運営する、李某(32)さんの収入を確かめてみよう. 時間当り1千ウォン, または1冊300ウォンを受け取る、この店の一日の平均収入は15万ウォンほど. 直接煮てあげる2千ウォンラーメンが10杯, 1千ウォンのカップならばその10倍は売れる. ここで残る純収入は、煮るラーメンが1300〜1500ウォン程, カップならば300〜400ウォン程だ. 一日の売上は15万〜20万ウォンで、ラーメンが3万ウォン程, 他の菓子や飲物までを合わせれば、収入の半分以上を付随商品で稼ぐ. 結局、ラーメン一杯がマンガ本10冊分の役割をやり遂げるわけだ.

腹より大きなヘソがある. 漫画房のラーメンのように‘腹(註:ここでは本来の主力である「マンガ本」のこと)’よりも旨みのある‘ヘソ’は、商人である業者には、営業を維持させてくれる重要な収入源だ. このような小さな商店だけでなく、巨大産業にも、こういう‘しっかり者’の孝行息子商品が多様に存在する. 大部分は主力商品に付く補助商品ながらも、実際は業者を食わせている場合だ.

こういう付帯商品は、主力商品が大きく投資をしなければならないのに比べ、少ない投資だけで販売が可能で, また、収益性面でははるかに飛び抜けている. マーケティング的な観点で見れば、核心商品の延長線上にある拡張商品, または補充サービスや補充商品の概念として見ることができる. こういう商品で収益を上げるマーケティング戦法は、いわゆる‘リレーションシップ マーケティング’(関係指向型マーケティング)の観点でも解析できる. 商品を主力と補助に分類して、これをパッケージ形態で販売することだ. サンミョン大 経営学科のイ・ミョンシク教授は“現代社会では、付加価値創出効果が良い核心商品が脚光を浴びる”としながら、“製造工程では付加的な、こういう拡張性商品が、業者としては差別化の核心になって、付加価値を創出する最も確実な手段になる”と説明する.


チケット販売収益をあざ笑う映画館のポップコーン

(写真/映画館で売られるポップコーンは、少ない投資で最も適当に旨みのある利潤を保障してくれる、映画館の本物の隠された収入源だ.hangyore00317_2.jpg (17986 バイト) ポップコーン, スルメ(註:韓国では映画といえばスルメがつきもの), コーラ等、売店の3大販売品目は、利益率が50%以上で, 映画館収入の15%以上を占める)

順次産業が噴火して、多様になりながら、大企業はこういう付加価値収益を極大化するために、本格的に熱を上げることもしている. しかし、まだ規模が小さい中小企業でも、店舗はこういう収入源を隠す傾向が強い. 時には便利な方法として、違法に税金を減らすために、こういう付加収入自体を営業秘密として絶対明らかにしない場合も相当だ. すると、漫画房のように、腹よりもはるかに大きいヘソのおかげをこうむる業種には、どんなものがあるだろうか.

主力商品よりも補助商品がはるかに収益性が良い代表的な業種としては、まず映画館がある. 映画館業界は映画だけでは、食べていくのが不可能だと、常時主張してきた. 文芸振興基金に付加価値税等、あれこれ払ってしまえば、残るものがないということだ. だが、かと言って、門を閉める映画館はほとんどない. 映画館だけの重要な副収入源があるためだ. ポップコーンだ. ポップコーンを売ってどれくらい儲けるのかという疑問を持つが, 実際にポップコーンとスルメ, コーラ等、売店で売られる間食が、まさに映画館を運営できるようにしてくれる、主演(入場料)に劣らない助演である.

映画観覧料は、普通6千ウォン. しかし、6千ウォンから文芸振興基金366ウォンを引いて、残り5634ウォンからまた512ウォンを付加価値税で控除した後、残り金額を配給業者と折半する場合、6対4で, 韓国映画ならば、5対5で分ける. そのため、実際に映画館に戻る分は洋画2千ウォン, 邦画3千ウォンほどで、実際の映画観覧料の半分にもならない.

こういう状況の中で、映画館運営を後押ししてくれる最も重要な品目が、売店収入だ. 映画館は、一般の売店とは違い‘特殊な売り場’だと主張して、飲食品の値段をより高くする傾向があり、マージン率は売り値の50%に達する. 電子レンジ用ポップコーンの場合、原価は850ウォンほどが2千ウォンに, 加工スルメは原価が1400ウォンほどなのに2千ウォンに, コーラの場合は300〜350ウォンが800ウォンで売っている.

映画館業界が推算する、観客ひとりが映画館で使う間食費用は、1400〜1600ウォン. この収入の半分が、そのまま映画館の収益になる. 観客1万名が入る外国映画である場合、映画自体で稼ぐ収益は2千万ウォンなのであるが、売店でポップコーンとスルメ, コーラを売って入る収入が700万〜800万ウォンに達するということだ. 臭いがしみこむからと、映画館の中に食物を持ちこめないようにしている映画館が、スルメとポップコーンは持って入らせる理由は、まさにその品々が映画館を食わせてくれるためだ. 韓国映画館は、このように悪くない収入を保障してくれる売店を、税金問題等のために実際には映画館が直営しながらも、書類上では賃貸したかの様に欺く所が多い.


チラシ収入でグレンジャ−を転がす


映画館と漫画房の場合は、補助商品が主商品よりはまだ比重が少ない場合だ. けれども、付加商品が主力商品を凌駕する、本末が転倒した場合もある. まさに、新聞を家庭に配達する新聞販売店の収入構造がそうだ.

現在、大韓民国で、新聞ぐらい損して売る商品はさがすのが難しい. 熾烈な競争のために、新聞の売り値は製造原価にも届かないほどに低く設定されている. 新聞社は、この損害分を広告収入で埋めている. こういう事情のために、新聞を家庭に配達する新聞販売店も、新聞配達料はほとんど利潤を残すことができない状態だ. 販売店が生き残るための最も重要な収入は、まさに、新聞に折り込む各種‘チラシ’収入だ. デパートセール宣伝, スーパーマーケット伸張開業広告, 学院受講案内等、新聞を開けば、どどっと落ちる、この宣伝チラシが販売店を食わせてくれる収入源だ. 配る新聞の間に企業等が作ったチラシを折り込む、何らの追加投資や負担がなしに、そっくり販売店の収入として入る. 普通は新聞販売店収入の半分で、大きい場合は80%まで占める程だ.

最近のチラシ相場は、最も大きい2切り紙の大きさの場合37ウォン, 4切り21ウォン, 8切り14ウォン, 16切り10ウォンだ. 一つの販売店が平均して配達する新聞は、普通は1千部以上であるから、16切りチラシが一件だけ入っても、一日に10万ウォンを儲けるわけだ. ‘水が良い(註:「うまくいっている」)’地域の有力紙販売店は、チラシだけで月1千万ウォン以上の純収入を上げている. そのため、販売店では、新聞部数拡張は、結局、チラシ確保のための方便に近い. 少しでも多くの新聞部数を確保するほど、チラシ広告を容易に確保することができるためだ. 多様なチラシ広告が洪水を起こしているソウル江南地域の新聞販売店は黄身の中の黄身(註:「一番良い思いをしているところ」). 新聞業界では、“江南の販売店では、販売店長と販売店長の息子がグレンジャ−(註:高級自動車の名前)を転がす”という言葉が出てくる程だ.


注射剤は、病院の‘金脈’


大型病院も、付随商品効果をずいぶん見ている企業だ. 診療費という基本収入と共に、霊安室と売店で上げる収益が、病院経営にとって一つの役割をしてくれている. 外来患者数が月2千名ほどのソウルのある総合病院の場合、霊安室と売店で月平均3千万ウォンと2千万ウォンの売上げを上げる. 病院全体の売上額に対応すれば、5%内外の水準だが, 大部分の病院が診療費だけでは経営に困難を経験する状況で、霊安室と売店収益は、病院を運営するのになくてはならない金脈の様相を見せている. 霊安室と売店は、特に利益率が大きく、より一層その効果が大きい. 霊安室の場合、売上げ収益の80〜90%が純収益で、売店もやはり30%程度が純収益であるためだ. この二つの附属施設収益だけで、30余名を超える職員に月給を与えることができる.

小規模病院・医院の場合、売店収入よりは、注射剤収入が重要な補助収入源になっている. 病院と医院の収入中で、半分ほどを薬が占めるのだが, この薬剤収入で注射剤が占める比重は相当だ. 韓国の注射剤処方頻度が56%である点を勘案すれば、注射による収入が全体薬剤費の30%程度を占めると、保健福祉部はみている. 注射を好む韓国の人々の習性に、難無く収益になる注射を乱発する医師たちの胸算用が重なり、韓国の病院の注射処方収益の比重は格別に大きい. 実際、先般の医師ストライキ事態当時、政府が医師をなだめるために出したカードが、まさに、注射剤を分業から除外し、医師の役割として保全してくれるということだった. それほど注射剤収入が、小規模個人病院にとって重要な副収入源であることを見せてくれる大きな課題だ.

ク・ボンジュン記者
bonbon@hani.co.kr


ハンギョレ21 2000年 07月 20日 第317号 .
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