2000年10月ハンギョレ21 329号

[人と社会] シアトル…プラハ… そして ソウル!

[ 人と社会 ] 2000年10月10日 第329号

新自由主義に反対する、基層民衆と市民 ‘アンチ ASEM’宣戦布告!

hangyore00329_31.jpg (19636 バイト)(写真/さる9月末、プラハのIMF・IBRD 秋期年次総会も、各国から集まった2万ものデモ隊の封鎖の中で、一日操り上げて日程を終えなければならなかった)

シアトル, ワシントン, メルボルン, プラハ. 大西洋を横切って, 南半球と北半球を行き来する、この‘地球村’の各都市は、99年11月、それまでだけでも何ら関連がないように見えた. だが、99年11月‘シアトルの眠れない夜’以後、この都市たちは、一つの脈絡をもつようになった. シアトルの‘WTO ニューラウンド交渉’は、5万のデモ隊の抵抗に当面し、決裂し, 今年4月、ワシントンの国際通貨基金(IMF)・世界銀行(IBRD) 春季年次総会は、連日猛烈なデモに苦しめられなければならなかった. 9月初め、メルボルンで開かれた世界経済フォーラム(WEF)も、事情は同じであった. あげくの果てに、9月末、プラハのIMF・IBRD 秋期年次総会は、各国から集まった2万のデモ隊の封鎖の中で、一日操り上げて日程を終えなければならなかった. 世界化に反対するデモ群衆の中には、労働者と失業者, 農民と都市貧民, 生態主義者と無政府主義者, そして、女性と第3世界の民衆が一ケ所に溶け込んでいた.

米国マサチューセッツ アムホスト大学 フランク・ボジャース教授は、彼らに“奇妙ながらくたの軍隊”という名前を付けた. 資本の世界化に抵抗する、社会的弱者たちの、連帯の可能性を発見したのである. 今、大規模国際会議が開かれる世界のあちらこちらで、こういう抵抗は‘慣例のように’つながっている. 結局、資本の世界化は、抵抗の世界化を招いたわけだ. そして、ソウルだ.


“もう一つの世界化推進機構”


‘新千年の繁栄と安定の同伴者関係’という標語の下、10月19〜21日ソウル三成洞ASEMタワー会議場で開かれる、第3次ソウル アジアヨーロッパ首脳会議(ASEM). 96年,バンコクで始まったASEM会議は、韓国, 日本, 中国等、アジア10ケ国と英国, ドイツ, フランス等のヨーロッパ連合会員国15ケ国に、ヨーロッパ執行委員会が参加し、2年ごとに開かれる首脳会議だ. 第2次会議は、英国ロンドンで開催された. 主に、政治, 経済・通商, 社会・文化等、大きく三分野にわたって討論して、合意事項は会員国間の全体合意を通じて導き出すことが原則だ.

今回のソウル会議では、‘包括的アジア・ヨーロッパ協力指針書’を採択する等、ASEMの中長期的な発展展望を樹立することが目標として設定されている. 韓国政府が発議し、さる2次会議で設置された‘ASEM ヴィジョングループ’が提出した報告書 ‘もう少しよい明日のために’(For Better Tomorrow)が、議論の土台となる. この報告書は、‘自由化と市場開放’‘アジア・ヨーロッパ金融安定協力’‘アジア・ヨーロッパ投資貿易促進’などを、中長期的展望の核心として含んでいる. 進んで“多者間貿易システムを強化して, ニューラウンドを成功的に率いるための協力関係構築の必要性”を明らかにしている. ‘投資協定・WTO反対国民行動’の イ・チャングン政策委員は、“この報告書は、ASEMが社会・文化的な議題は差し置いたまま、自由貿易を目標に動く、もう一つの世界化推進機構という点を明確にあらわしている”と指摘した.

ASEM会議に対抗する、韓国市民社会の流れは、大きく2種類に分れる. 参加連帯, 経実連, 環境連合等、130余個の市民社会団体が参加する‘ASEM2000民間フォーラム’と全国貧民連合, 全国農民会総連盟等、基層民衆運動団体が主軸になっている‘新自由主義反対・民衆生存権争奪民衆大会委員会と投資協定 WTO反対国民行動’が、まさにそれだ. ‘ASEM2000民間フォーラム’は、政府間会議のASEM会議に対抗する市民社会団体のあいだの会議だ. ‘ASEM2000民間フォーラム’が、批判的参加を基調にすれば、‘新自由主義反対・民衆生存権争奪民衆大会委員会と投資協定・WTO反対国民行動’は、直接行動を通したASEM反対を明確にしている. 民主労総は二団体どちらにも参加している.

ASEM2000民間フォーラムは、‘世界化に挑戦する民衆の行動と連帯’というスローガンを掲げて、10月17日から21日まで、開幕会議, ワークショップ, 文化行事などを主催する. 労働, 農業, 女性等、13分科が準備された26のワークショップが開かれる場所は建国大 新千年館だ. アジア, ヨーロッパ各国の市民社会団体活動家たちは、四日間、熱を帯びた討論を繰り広げる. 民間フォーラムに参加している女性民友会 ユン・ジョンスク事務所長は、“資本の利害を全面に出した新自由主義を克服する、人間中心の対案を模索する”と、趣旨を明らかにした.

韓国の130余の市民社会団体は、主催国として、99年10月から‘ASEM2000 韓国 民間団体フォーラム’を結成して, アジア ヨーロッパの多様な市民団体と共に、国際組織委員会を結成してフォーラムを準備してきた. だが、民間フォーラム準備過程は順調なばかりではなかった. 場所変更問題が代表的な論争点になった. 元来、大会開催予定場所は、ASEMタワー周辺の奉恩寺. だが、警察がASEM会議場前の奉恩寺に対して、大会開催不許可方針を下した. 一部では大会場所をそのまま維持しなければならないという立場を固持したが、民間フォーラム指導部は、大会場所を奉恩寺から建国大へ移す決定をした.


‘民間フォーラム’は、独立性を維持できるか

hangyore00329_32.jpg (23643 バイト)(写真/10月6日 石溪駅 広場で開かれた ‘露天商取り締まり粉砕及び露店生存権争奪決議大会’. ASEMによって撤去が始まることに不安を感じている)

政府支援金問題もある. 民間フォーラムが韓国政府から受けた支援金は1億5千万ウォン. ここに、ドイツ政府の支援金4万マルク,デンマークとオランダ政府の支援金、各々4万ドルが付け加わる. 政府支援金を受けても民間フォーラムが独立性を正常に維持できるかが、常に論議沸騰を呼んでいた. こういう問題で人権運動広間等の人権分科に属する13団体が、結局、民間フォーラムを脱退することになった. 人権運動広間 パク・レグン室長は、脱退理由として、新自由主義的世界化に対するフォーラムの不明確な立場を最初に指摘した.

“市民団体が圧力とロビーを通じて、世界化推進機構に自身の立場を反映することは、既に、歴史的に不可能だと判明されました. たとえ、市民社会の要求が公式文書に入っていっても、結局は空文になるのが現実です. 反面、直接行動が最も適切な方法だということを、シアトル行動が見せてくれました. 場所問題もそうです. 奉恩寺は、単純な大会場ではなく、ASEM反対闘争の拠点でした. 象徴性が大きかったのです. それを、あまりにも容易にあきらめました.”

人権団体たちは、既に、さる6月から大会原則と基調に異義を提起して、代表者会議招集を主張してきた. 迂余曲折の末に、7月に代表者会議が開かれたが、結果は満足できなかった. この時、大部分の団体が民間フォーラムを脱退して, ワークショップ進行のためにいくつかの団体だけを残した. それさえも、残っていた人権団体たちも、9月13日の場所変更決定を契機に脱退した. いまは、人権分科 所属団体中、民間フォーラムの共同代表を受け持っている1団体が残っている状態だ. 民間フォーラムを脱退した彼らは、‘資本の世界化に反対する人権フォーラム’と名前を変えて、今回のASEM会議 期間 、外国人権団体と懇談会を持つ予定だ. 人権団体のみだけでなく、全農もASEM民間フォーラムを脱退した. 農業分野ワークショップが、開放農政反対を明確にしないということが、主な脱退理由であった.

反面、民間フォーラム関係者は、“ASEMは経済問題だけを扱うWTO閣僚会議やIMF・IBRD総会とは違う”としながら、“批判的介入を通じて、市民社会の立場を反映することがより現実的”と反駁した. また、“私たちも集会やデモを無条件に排除するのではない”という言葉も付け加えた.

大会をあと10日に控えて、すでに警察と民衆運動陣営との間の葛藤が明るみに出ている. ‘公共医療強化のための連帯会議’が、9月8日,‘社会進歩連帯’が9月9日、各々江南警察署に集会申告書を提出したことが契機であった. 二団体は、ASEM会議当日の10月20日, 会議場周辺で集会を開くと申告した. だが、数日後、彼らは警察から集会禁止通告を受けた. ポスコが社会進歩連帯より先に同じ場所での‘騒音公害追放決議大会’集会申告書を提出していたということが理由であった.


警察の幼稚な‘デモ封鎖作戦’

hangyore00329_33.jpg (21501 バイト)(写真/参加連帯・経実連・環境連合等 130余個 市民社会団体が参加する‘ASEM2000 民間フォーラム’. ASEMに対する批判的介入を基調としている)

ポスコの受付時間は、9月9日午前11時. 同じ日の昼12時に受付けた社会進歩連帯とは僅か一時間の差だ. だが、受付番号1039号の社会進歩連帯の集会申告書と1034号のポスコの集会申告書の間には、一時間に4件の集会申告書が集まっている. 社会進歩連帯よりも一日先に申告した‘公共医療連帯会議’の受付番号は1030号だった. 一日に九件が申告されたことに比べて、一時間に4件というのは過度に多い数字だ. その間に入った集会内容もいぶかしい. ニューワールドホテルが主催する‘ASEM広報キャンペーン’, 三星物産が主催する‘品質改善大会’等、今までほとんど開かれたことがない集会である.

問題はここで終わらない. 集会禁止通告には、元来の社会進歩連帯の受付番号1039号の代わりに1030号が押されてある. これは、やはり他の集会との重複理由で禁止された‘公共医療強化のための連帯会議’受付番号のようだ. 社会進歩連帯 ジョン・チョングォン政策局長は、“これは単純なミスだと見るのは難しい”としながら、“警察側が民衆運動団体の集会を封鎖しようとした意図が現れたこと”だと主張した. 既に、<ハンギョレ>紙10月5日号の報道を通じて、警察がASEM会議場周辺の企業に集会申告を推奨したことが表面化もした.

警察のこのような事前封鎖にもかかわらず、緊張感はすでに拮抗している. 戦いは露天商撤去から始まった. ソウル市がASEM会議を控えて、ソウル市全地域の露天商を集中団束すると明らかにしたのである. ASEM会議場周辺の江南区, 瑞草区はもちろん、代表団の宿舎と移動経路の鍾路, 中区, 龍山等、露天商密集地区100余ヶ所の8千余が取り締まり対象だ. 危機感を感じた全国露天商連合は、さる10月6日、石溪駅広場で‘露天商取り締まり粉砕及び露店生存権争奪決議大会’を開いた. 全労連 チェ・インギ連帯事業局長は、“IMF事態で職場を失って、道に追い出された私たち貧民達こそ、世界化の被害者”とし、“露天商たちはASEMとはなにかはよく知らなくても、ASEMになれば撤去が始まるということは、おばあさんたちも皆知っている”と、不安な雰囲気を伝えた. 全労連会員たちは、ASEM会議期間中、からだと鎖で繋いだリヤカーを前面に出したまま道に出る計画だ.

ASEM会議期間中、最も大きい反対集会は、10月20日午後2時にひらく‘ASEM2000 新自由主義反対ソウル行動の日’だ. ASEM民間フォーラムと民衆大会委員会, WTO反対国民行動が共同で主催する、この集会には、民主労総労働者1万5千名, 学生5千名, 貧民3千名等、約3万名に達する群衆が結集すると予想される. この日の集会には、大規模ではないが、20余ヶ国200人に達する外国市民社会団体活動家たちも参加する. WTO反対 国民行動の イ・チャングン 室長は、“まだ確定になっていないが、同じ日にフランス等、世界のあちらこちらで集会を計画中”と、国際連帯計画を明らかにした.


21世紀式 農学連帯?

hangyore00329_34.jpg (12815 バイト)(写真/ソウル江南のASEM タワー. 警察は民衆運動団体の集会を封鎖するために、周辺企業に集会申告を推奨した事実が表面化した)


10月19日から集団的に上京する民主労総金属連盟労働者たちは‘反ASEMデモ’の主力隊になるものと見られる. ここに、19日と20日、一時的なストライキを予告した社会保険労組 組合員7千名も共に動く. 民主労総は、20日、ソウル行動の日の集会以外にも、16日から本格的に始まる各種集会とデモに積極的に結合する計画だ. 19日以前には、非正規職労働者たちと失業者たちが主軸になる. 民主労総 パク・ハスン政策部長は、“非正規職労働者と失業者は、世界化の矛盾を尖鋭にあらわす集団”とし、“非正規労働団体と失業克服連帯会議を中心に、約3千名に達する非正規職, 失職労働者たちが結合する”と明らかにした.

労働者たちが19〜20日に集中するならば、学生達は9日からASEM反対行動週間を宣布して、アンチASEM宣伝と街頭デモにたつ. ‘ASEM反対闘争委員会’に結合した、多様な学生運動組織と韓総連が久しぶりに共同活動を繰広げる. 10月、教育と宣伝に力を注いで、ASEMが開かれる10月第三週にはゲリラ式小規模集会を中心に動く. ‘ASEM反対闘争委員会’関係者は“予想すらできない直接行動と、はっと驚くばかりのパフォーマンスが繰り広げられる”と予告した.

全農も“開放農政反対!”を叫んでデモにたつ計画だが、農繁期でもあり、大規模参加は難しい. だが、全農はどんな形態ででも、農民の憤怒を世界に知らせる計画だ. 女性も除くことのできない参加者だ. ソウル女性労組ジョン・ヤンヒ委員長は、“世界化は女性をまず解雇対象あるいは非正規職労働者として追い出した”としながら、“世界化の初めの犠牲者である女性たちも、今回の反ASEMデモに積極的に参加する”と確かめ合った. ここにハリウッド映画攻勢に対抗し、‘文化的種の多様性’を守ろうという映画人も加勢する. スクリーンクォーター文化連帯の守護天使団が主だ. 人権団体もいそがしい. 20日、人権侵害監視団を構成して、街頭デモ現場で活動する計画だ. 仮に連行される人があれば、法律チームを作って支援する計画も持っている.

デモ隊の計画が大規模な分、警察も警備を強化している. 既に、19日から21日まで、ASEM会議場周辺を安全確保地域として宣布して、集会を禁止する等、警備に万全を期している. ‘平和デモ’を宣言した、20日のソウル行動の行事さえ、まだ警察の不許可方針のために集会許可が下りないでいる状態だ. 果して、‘直接行動’で武装したデモ隊は、こういう鉄の警備をはねのけて、‘事件’を作ることができるだろうか. 関心の焦点は、‘非暴力平和デモ’を宣言したソウル行動の日の行事より、民衆大会委員会とWTO反対国民行動を中心に動く、20日午前の集会に合わされている. ‘シアトルの眠れない夜’に劣らない‘ソウルの眠れない夜’が迫っている.



シン・ユン・ドンオク記者syuk@hani.co.kr




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