[ 文化 ] 2000年10月25日 第331号
30代以上のために専門家が推薦した成人漫画…
明朗漫画から暴力物まで、“面白くて、面白い”
(写真/旧宮中の性文化を素材にした<内侍>
)
おとなになっても漫画を楽しむことが恥ずかしくない年齢は、何歳までか?
韓国で漫画が青少年たちの普遍的楽しみになったのは、60年代後半から相次いで創刊された<わんぱく仲間>
<新少年>などの少年雑誌が漫画を本格的に扱ってからだ.
漫画界は、まさにその時期に青少年期を送った、今の40代序盤〜30代中盤の世代を潜在的漫画ファンの‘最高齢層’とみている.
もちろん、漫画をわざわざ探したりはしないけれど.
この年代以降、もっと漫画に友好的な世代は、本格国産アニメーションの<ロボット太拳V>を小学校の時期に接して漫画となじんだ世代,
まさに、今、しばしば‘386’世代と呼ばれる60年代生まれたちだ.
漫画界で、彼らは、その前の世代よりももっと漫画に好感を持ったおとなとして区分される.
彼らが成人しながら、漫画は明確に成人と青少年用に区分された.
そして、最近になってからは、児童漫画とは異なる、この世代のおとなのための漫画の傑作が、あたかも漫画を探す人のための‘入門必修’作品のような位置を占めている.
90年代の作品中でヤン・ヨンスン氏の<ヌードル ヌード>
などの韓国漫画と、<島課長(註:「課長 島耕作」> <マスター
キートン>などの、作品性も秀逸で内容も成人指向の日本漫画が入所門のように、おとなのための漫画として認められて、漫画には初歩のおとなたちの必読コースとして選ばれている.
漫画と共に‘その時期’へ向かう旅行
(写真/ホ・ヨンマン氏の
<タジャ> )
それでは、この3〜4年のこれらの漫画の後をつなぐ最新版‘おとな漫画’の傑作は、どんなものであるだろうか.
漫画を頻繁には見ない30代以上のおとな漫画ファン達には、一ケ月に数百種ずつあふれ出る漫画の中で、おとなに向くかどうかを知るのも容易なことでない.
だが、それでも
多くの漫画ファンたちが公認する、いわゆる‘定石’がある. 今秋,
漫画にはまってみたいおとなのために、最近の主要作を選んでみた.
漫画に関する限り、最高専門家として選ばれる評論家たちと主要漫画雑誌編集長等、漫画道士六人が推薦に参加した.
30代以上の漫画ファン達には、あたかも、歌手
チョー・ヨンピル氏のような作家 ホ・ヨンマン氏が最近出した<タジャ>は、久しぶりにお目見えする正統国産成人漫画だ.
<48+1>という傑出した賭博漫画を披露したホ氏が、10余年ぶりにまた挑戦した賭博漫画で,
だましだまされる花札博打の非情な生理を、興味深々な話の中に込めて、さらさらと解決する.
演出力に関する限り、国内最上級作家のホ氏特有の躍動的な描写が、あたかも‘自分のお金を
失う’ように、実感溢れながら賭博部屋を描く.
60〜70年代の、豊かではなかったが、心だけは豊かだった時期を反芻したい読者ならば、韓国漫画界では指折り数えられる作家主義
漫画家 パク・フンヨン氏の <ぼくの波乱セーバー>が最適な作品として挙げられる.
ある少年がサイクル選手として育っていく過程を、まるで鑑賞するように眺めるこの漫画は、時代背景が60年代と70年代が交差する時点なので、過去の郷愁を呼ぶ味と共に、あたかも文学作品を読んでいるかのような風情が魅力的だ.
いっそのこと、目の高さを低くして、田舎での幼い時期を味わいたいならば、イ・フェジェ氏が絵を描いて、ウィ・ギチョル氏が文を書いた、<私の幼いことへ>はどうだろうか.
こざっぱりとした色合いに、イ・フェジェ氏の情感に充ちたペンの線が、60年代の田舎故郷をそのまま描き出す.
読んだら、子供たちにも見せてあげるのに良い漫画だ.
出産と育児問題も
(写真/ホン・スンウ氏の<ピビムトゥーン>
)
いっそのこと、部屋を転げまわって笑うほど楽しい漫画としては、マ・ジェゴン氏の<突撃!
前へ>が最適だ.
男子の永遠なテーマである‘軍隊話’を徹底して明朗風にコミカルに描いた漫画だ.
“総員、脱いで大便をしろ!”と、命令する古参兵長と、新参二等兵が毎度やらさせられる可哀相なしごきの話が、時にはとんでもない程の爆笑につながる.
反対に、とても真摯な漫画を見たいのなら、90年代韓国漫画界最高の新人に選ばれるユン・テホ氏の<ヤフー>が良い.
過去、性を題材にしたコメディ漫画を描いた、そのユン・テホが、と思える程に叙事的な内容に変身した.
虚しい人生を暴力と彷徨で満たすだけの青年を通じて、社会と歴史を鋭く批判する問題作だ.
男性用漫画とは明確に情緒が違う純情側では、ハン・ヘヨン氏の
<エム ノウル>と、純情漫画界の大母 ファン・ミナ氏の<李さん家の物語>が、最近の最高人気作に入る.
<エム ノウル>は、純情としては例まれな刑事ミステリー物で、可愛い絵にも吸引力が強い.
アクション物ながらも、人が生きる世の中で感じる情緒と愛を中に溶かしていることが特徴.
反面、<李さん家の…>は、大家族の右往左往のエピソードの中から生まれる笑いが満ちている.
30代以上には、絶対絶命の関心事である‘育児’を主題にした漫画は、ひとの家を覗きながら同時にやりかたを習うことが面白い.
これまで、キム・ジユン氏の <マイ ファニー ベビー>という傑出した育児漫画以後、女性のおとな読者を新たにする、目につく作品をさがすのが難しかった.
しかし、それでも秀作は出てくるものだ. 1組の夫婦が恋愛を始めて,
家庭を作って,
子供を産んで育てる話を、誰でもうなづけるエピソードでつまみ出すホン・スンウ氏の<ピビムトゥーン>は、最近、断然‘いけてる’育児漫画として選ばれる.
女性だけの苦痛であり歓喜の出産を男性に理解させようとした<生命のうつわ>も、やはり30代たちが読んでみるに値する漫画として選ばれる.
漫画的な軽い面白味と暴力の美学は、私たちの漫画よりは、日本漫画をさがす方が早い.
日本 成人漫画最高の人気作家 池上燎一の<クライング
フリーマン>は、発表して20年を過ぎて、一歩遅れて国内に紹介されて漫画ファンたちを熱狂させた作品.
適当な残忍さと扇情性に,
多少は慌てるけれど、徹底的に男性たちの興味を刺激するのが、この作品の独特の魅力.
ハリウッドと香港で、各々映画にもなったヒット作だ.
90年代日本漫画を代表する、三浦健太郎の<ベルセルク>もやはり‘血の美学’と呼ぶ程凄絶な激闘とファンタスティックな話で勝負する、カルト系列の漫画.
ただ,
こういう雰囲気が嫌いならば、絶対に興味を感じることができず、‘マニア用’というレッテルが付けられる.
消えた明朗漫画をまた探して
(写真/ファン・ミナ氏の
<李さん家の物語> )
今は消えた‘明朗漫画’の味を、また繰り返し味わえば、選択の幅はより広くなる.
可愛い絵体で、穏やかながらもちょうどいい面白味をつけ足すのが上手いキム・ジンテ氏の<チェリーチェリー
ココ>は、どうしようもなく荒っぽいある女性の職場生活を、ありったけの比喩とパロディで混ぜ合わせたものだ.
ジョン・ヨンシク氏の<トディ>は、笑いと一緒に、日々の色々な問題を考えてみるようにさせる、洞察力が隠されている漫画として推薦された.
この他に、推薦された30代以上のための、比較的最新の主要漫画では、陸上競技という、地味な主題を実感溢れるように描いたスポーツ漫画<スタート>と,
不治の病にかかった息子をなんとか生かそうという家族の話<一生>,
韓国的タッチで有名なベク・ソンミン氏の<ピリ>,
旧宮中の性文化を素材でにした<内侍>,
国内で初めて出たユーゴ出身作家 エンキ・ビランの<ニコフォル>などが、専門家の良い評価を得た.
推薦してくれた方
キム・イラン 漫画評論家
ベク・ジョンソク 漫画評論家
パク・インハ 漫画評論家
キム・ヒョングク 漫画雑誌 <ナイン> 編集長
パク・ソンシク 漫画雑誌 <ブッキング> 編集長
イ・ジェシク インターネット漫画サイト <コミックストゥデイ>
編集長
ク・ボンジュン 記者bonbon@hani.co.kr
イ・ミナ 記者mina@hani.co.kr
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