2001年10月ハンギョレ21 379号

70年代少年少女たちの追憶復活!
[ 文化 ] 2001年10月10日 第379号

‘コボンギからチェビョンボントゥまで’ 新しく人気を集める、その時その時期の漫画・音楽・グッズ

写真/ コボンギ, ドゥシミ. <トッケビ ガムトゥ>のヒョギ 等、70年代明朗漫画の主人公たち. 最近、また復刊され、色あせない人気を享受し、長い間の生命力を見せてくれている.

次に挙げる漫画の共通点はなに? キル・チャンドクの<新版 宝島>, コ・ウヨンの <大野望>, そして <ガラスの城>と <バベル2世>.
正答は2種類だ.
まず, これらの漫画は、皆、出版社オムンガクから出された‘クローバー文庫’だったという点.
二つ目は、皆、1970年代最高の人気漫画であったという点だ.
そして、この問題の答を知る人ならば、恐らく幼い時期にクローバー文庫を拡げてげらげら笑った記憶がある人であることだ. いつのまにか、当時の自分くらいの子供を持つ世代になってしまった30代序盤から40代序盤までの世代だ.

遠い日の追憶の象徴, クローバー文庫

当時の子供たち, すなわち今の30代にとって‘クローバー文庫’とは、単純な商品名を超え、幼い時期を共にした遠い日の追憶の象徴だった.
クローバー文庫は、1972年から計428種が出刊された、70年代の代表的な漫画文庫だった. <大野望>や<バベル2世>等、人気漫画は、1巻あたり10万部以上, 1冊あたりなら1万部ずつ 売れ, 総販売部数が最小1千万部以上だと推算される程の人気を享受した. しかし、80年代に入ると、漫画本市場が貸本市場用の単行本に変わることによって、クローバー文庫は82年に絶版してしまった.

写真/ "クローバー文庫を取り戻そう." 70年代子供文化の象徴的コードだったオムンガクのクローバー文庫. 今は30代になった当時の読者たちの声援に助けられて、絶版から20年ぶりに復刊される.(カン・チャングァン記者)

この‘クローバー文庫’が20年ぶりによみがえる.
最近、出版社オムンガクは、丁度20年ぶりにクローバー文庫を復刊することを決定した. うまく行けば、今年中に21世紀版クローバー文庫がまた登場する予定だ.
単純に名前だけをまた生かすのではなく、1970年代当時の本をそのまままた印刷するのだ. オムンガク ウォン・ジュンヒ理事は、“クローバー文庫に対する郷愁をもっている30代の読者たちと意見を集めて復刊準備委を構成し、また編集して出す作品を選別する計画”と明らかにした.

クローバー文庫の復刊は、当初、出版社側が全く意図していないことだった.
今年7月、偶然ある漫画ファンが オムンガクのインターネットホームページに、幼い時期に楽しんだクローバー文庫をまた見たいという文を上げたことが契機だった. 数多くのネチズンたちが同調する文を寄せ, オムンガクホームページはあっという間にクローバー文庫復刊を要求する文で塗りこめられてしまった.
自らも予想できなかった、途方もない反応に、オムンガク側が復刊可否を検討し始め, ついに‘ファン’たちに対する返礼の次元で、電撃的に復刊を決定した.

最近、70年代の文化商品がまた登場している.
クローバー文庫復刊をはじめ、1970年代子供たちから人気を享受した多様な文化的アイコンが、最近新しく照明を浴びるか、また文化商品としてよみがえっている.
このような傾向が最も活発なジャンルは、断然、漫画だ. ダンジ日報が発売した70年代漫画の代表作 コ・ウヨンの <三国志> CD-ROMで2万枚を売る大ヒットを記録した. パダ出版社が最近出刊した70年代韓国漫画主要作5編も、大きな呼応を得ている. 最も人気が高い<コボンギ>は、初版5千部が、発売半月でほとんど売れて、再版を準備している.


あの時期の教科書一冊に1万ウォン

写真/ 70年代の教科書が、最近人気を呼びながら、需要がぐんぐん高まった.(パク・スンファ記者)

10代に占領されたCD市場でも、‘70年代音楽’がまた蘇生している.
最近の歌謡市場の主力商品は、一人の歌手の歌ではなく、いろいろな歌手たちの歌を一枚に集めた、いわゆる‘編集アルバム’. この編集アルバム中の相当数が、30代以上の年齢層をターゲットとみなすもので、70年代の歌が主なレパートリーとして収録されている. <青い季節> <ミサリから春川まで> <フォークソング-追憶と郷愁の33年>等、70年代の歌が中心になった編集アルバムが列をなして出てきた.
僅か何年か前までだけでも、買いたくてもなくて、買うのが難しかった過去のヒット曲集が、最近1年間に何種類も出されたのも、以前にはなかったことだ. 代表的なもので、地球レコードが出したキム・ジョンミ, イ・ヨンボク, ソンゴルメなどの70年代音盤で、たとえ販売量は少なくても、マニアの間では相当な話題になった.
大型CD売り場である大韓教育保険文庫ホットトラックスのある職員は、“最近の30代たちは、それ以前の世代に比べて、CDを買うのにより積極的で, 特定歌手のCDよりは、70, 80年代の歌を編集したものを好みます”と話した.

ミサリ等、ソウルの外に押し出された70年代のスター歌手たちも、またソウルに入城している.
このような趨勢に合せて、フォーク歌手たちの専用舞台も生まれた.
 さる9月10日に開館したインケルアートホール ライブ フォークミュージック専用館がまさにそれだ. 70年代 <バラ> <海の女> 等で人気が高かった"4月と5月"が、開館初コンサートを開いたのだが, 特別に広報しなかったのに、ドアが開かれると30〜40代の観客が駆け込んで、一公演当たり100名以上の観客が嬉しい歓声を上げた.

文化界で70年代が30代たちに人気コードとして浮び上がるのと共に、‘70年代物’も収集品として人気を集める現象がめだっている.
ソウル・仁寺洞路地には、とても古くなった骨董品ではなく、70年代物を専門的に売る店がずらりと生まれている. 5年前に初めて店を開いた‘トトの古くなった物’を始め、いまは5,6店が盛業中だ.

写真/ 幼い時期の追憶をまた所有したい者たちが増え、骨董品と呼ぶにはそれほど古くはない、30年内外の古い物を売る店が順次増えている. 仁寺洞に位置を占めた 'トトの古くなった物'.(パク・スンファ記者)

こちらで最初に店を開いた‘トトの古くなった物’は、主人 ミン・グォンギュ(37)氏が、自らの世代の幼い時期を見せてあげたくて店を開いたと明らかにした.
男の子ならば、誰でも集めた丸いアトムのシールや、70年代の女の子たちがあれこれ着せ替えをして遊んだ紙人形は基本だ. 70年代プラモデルからへびサイコロ遊び, アホ人形, 頭突き王キム・イル選手が出てくるプロレスポスター, 果てはチェビョンボントゥまで、時間を遡ったような、むかしの物で一杯だ.
顧客は、20代から40,50代まで多様だが、直接物を買う層は、やはり30代が主流だという. 幼い時期を思い起こさせる商品としては、断然教科書が人気だ. 何年もの間、価格自体が形成されなかった70年代の教科書が、最近では一冊あたり1万ウォンを超える.


世代別文化が定着する過程

それなら、70年代がよみがえる理由とは、果して何だろうか.
瞬間的にはいつもあった‘復古’の延長線にみえるが, 詳細に注意深くみれば、その様相と意味は、既存の復古風とは異なる.
それは、70年代を反芻する、今の30代たちが、その以前の世代と文化的に違うという点だ.
‘食べて生きるのに忙しくて’文化的側面に対して無関心一辺倒だった今の40代以上が、10年前に30代だった時とは明確に差がある. 今の30代たちは、文化に対して正しく認識を持って成長した、初めての世代だと見ることができる. 実際、以前の世代に比べて、活発に自分文化を探して出る現象がめだつ.

しかし、なによりも、彼らが成長した70年代が、それ以前の60年代やそれ以後の80年代とは異なる文化的特性を持っている点が重要に作用している.
60年代が社会全般的に前近代性が多く残っていた貧困な時期だったら, 70年代は、はじめて産業化の結果が生活の中に反映され始めた時期だった. 子供のおもちゃだけとっても、竹などの自然材料で作った60年代とは違い、工場で大量に作られた工産品としてあふれ出た.
だからと言って、80年代のように物品が多様で豊富ではなかった. それで、いくつもない代表的な商品が、同時代性を持った時期だった. 同時代人が共有する文化的象徴が明確で、それに対する郷愁がより一層強いのが70年代の特徴だ. クローバー文庫はそのような事例だ.

70年代文化商品の復活は、また違う観点からみる時、世代別文化が定着する過程としても受け入れられる.
誰でも自分が成長する時に楽しんだ文化を終生持って生きているが、韓国では文化的風土が瘠薄で、それほどでもなかった. これからは、30代から、ついに特定世代と特定文化が共に共存していく変化の芽生だとも見ることができる.
ダンジグループ キム・オジュン総帥は、“もちろん、以前にもこのような傾向がなかったわけではないが, 少なくとも市場で特定世代別文化商品が存在したことがなかったため、文化的に疎外感を感じる30代たちは、このような変化に敏感だ”と評した.

文化評論家 パク・インハ氏は、このように分析する.
“最近の娯楽, またはエンターテイメントというものが一回的で消耗的なのに比べて、70年代には変化の速度が遅くて、共有の幅が広かった. 最近、世代が少しだけ変わって流行が少しだけ過ぎても、受け入れるのが難しいのに比べると、70年代はものすごく幅広い世代のトレンドと記号が合わされていた.”
当時の子供たちが三十歳を超え、生がある程度安定し、ようやく文化に目を向けてみるが, 彼らが楽しんだことは消え、現在流行している文化は彼らには馴染まないものばかりだ. 結局、自分に最も馴染んだものをまた探すしかないのだ.


<ロボット太拳V 2002>, 最近の子供たちにもうけるか?

写真/ 新しく作られるロボット太拳V 試案(左側)と76年度封切り当時のポスター.

このような流れの中で、世代を跳び超える生命力を試す文化商品もある.
単純に今の既成世代たちの幼い時期の 追憶ではなく、彼らの子供たちにも魅力的な長寿商品に変身しようということだ.
先月、製作発表会を開いて製作に着手した<ロボット太拳V 2002>が、代表的な例だ.
さる1976年に封切りした韓国アニメーションの代表作 <ロボット太拳V>を デジタルアニメーションで新しくする.
製作者側は、今の幼い世代は太拳Vを全く見ることがなかったが、彼らの手をつないで映画館に行くのは、結局、太拳Vを見てきた30代の父母たちだということを信じている. 来年封切りする太拳Vが、果して25年の時差を跳び超えて、父母世代には過去の追憶を思い起こさせながら、日本キャラクターにはまり込んでいる最近の子供たちにもうけることができるだろうか.
70年代文化の復活の中で、目を引くまた異なる注目点だ.



ティントイをご存知でしょうか

“ティントイをご存知でしょうか.”
70年代を代弁する追憶の商品として、新しく‘マニア’を率い始めたのが、まさに‘ティントイ’(Tin Toy)だ. ティントイとは、名前そのままに、ブリキで作ったロボットおもちゃなどだ.
さる60年代には日本ではありふれた普通のおもちゃであったのだが、30年が過ぎて、当時日本の30〜40代マニアたちが収集に熱を上げながら人気収集品として浮上した. 昨年秋、ニューヨーク サザビー競売場では、65年産ティントイが4千ドル(500万ウォン)で落札されたりもした.

このティントイが、日本とは正確に10年の時差をおいて、韓国でも最近徐々に人気を呼んでいる. ティントイは、60〜70年代には全世界的な流行商品であったし, 韓国でも70年代にはめずらしくはなかったおもちゃだった. 今年に入って、各種インターネット競売サイトを中心に、ティントイ注文と競売が増加している. アトムなどの人気品目でも、まだ何万ウォン線だが、値段が順次上がる趨勢だ.

おもしろい点は、ティントイの事例でも見ることができるように、私たちと日本の30年前物人気ブームが丁度10年の差を見せている点だ.
朝鮮戦争の勃発で近代化が遅れた私達が、70年代に経済成長期に進入し, 日本は60年代から高成長期に立ち入ったからだ. それで、日本では60年代に幼い時期を送った今の40代たちが30代になった90年代に‘60年代ブーム’が起きたのだ.
韓国には <バベル2世>としてよく知られている横山光輝 等、60年代人気漫画家たちの漫画が、90年代一斉に復刊され, やはり60年代のおもちゃ等、生活用品収集ブームが起きている.
しかし、韓国や日本でも、30年前の物は、意外に求めにくいらしい. ‘トトの古くなった天国(註:原文通り)’ミン・グォンギュ代表は、“丁度一世代以前, すなわち30年前の物は、骨董品と呼ぶにはそれほど古くもない中間物なので人々が簡単に捨てるため、むしろ残っていることが少ない”と説明する.
あまりにもありふれていて、誰でも持っていたために、今は貴重になったものたち. それで当時を思い起こす者たちは、消えた物をより一層求めたいのではないだろうか.


ク・ボンジュン記者 bonbon@hani.co.kr