2001年7月ハンギョレ21 417号

身に付けてみると、変わりますよ
平凡な男性たちの間に装身具拡散
[ 文化 ] 2002年07月10日 第417号

身に付けてみると、変わりますよ
平凡な男性たちの間に装身具拡散…男女の区分が難しい繊細な製品が人気


写真/一般ジュエリーブランドは男性用製品を増やし, 男性専用コレクションを本格的に市場に出すブランドが生まれている.(イ・ジョンヨン記者)

ファンの注目を新たにしたのは、絶妙なつま先の動きと腿の筋肉の激烈な動きだけではない.
アン・ジョンファンの‘アジュマ(註:おばさん)パーマ’は、すでに流行になっていて, インターネット上ではアン・ジョンファンの指輪とキム・ナミルのネックレスに対する話題が絶えない.
以前なら、競技場内外で選手たちの首元にさりげなく現れる軽薄なネックレスや左の耳たぶに付けられたピアスを見ると、“肝腎な運動はしないで…”というような反応が多かったが, いまは“運動も良くするおしゃれ男”という反応がはるかに多い.

厳格な職種も例外ではない
最近になって、ネックレス・イヤリング・ブレスレットなどの装身具が、女性や‘飛んでる’少数男性たちの専有物ではなく、服や時計のように、平凡な男性たちの間でも、自身を表現する日常的小道具としての位置を占める流れがめだつ.
文化改革のための市民連帯(文化連帯) 政策室長 イ・ウォンジェ(30)氏に初めて会う人は、いわゆる‘運動家’スタイルとはかけ離れた彼の身なりに新鮮な衝撃を受ける.
イ室長はカジュアルな姿に革ネックレスやブレスレットを, 正装には耳に付けるピアスで身だしなみをしめくくる.

写真/ ワールドカップで最高の技量を誇ったキム・ナミル選手.
彼のネックレスはファンの注目を新たにする.
(イ・ジョンヨン記者)

“特別な意味を附与するのとは違いますが、私が自分の体に介入するのがおもしろいという気がします. 装身具で私の趣向をあらわすのは、音楽や他の嗜好で趣向を表現することとは違わないと思います.”

イ氏が耳に穴をあけた98年だけとっても、彼の‘趣向’はそれほど尊重されなかった.
大学院生の時期, セミナーで先輩たちはピアスを外すことを丁重に提案したり, “男子が何故そんなことをするのか”と大声を張り上げることもあった.
今でも官僚のような‘謹厳’な人に会う席に行くと、‘なぜ、あんなガキがいるのか’という注目を受けることもある.
最近、文化現状に対するコメントを受けようとやってきた放送記者は、ピアスやネックレスが“視聴者に信頼を与えない”とそのまま帰ったりもした.
だが、彼の姿を見る視線は、2,3年前とはかなり変わったという.

“はじめは, 直接的な非難も聞きましたが、この頃はそのような話を聞いたことがほとんどありませんよ.自分の友人たちも大部分が耳に穴をあけましたしね.”

明洞にあるファッションモール アバターでアクセサリー売り場を運営するキム・ジョンアさんは、最近、男性用製品コーナーを準備している.明確に増えた男性客たちのためだ.

“男の方が一人で来られることはまだ多くはありませんが、女友達と一緒にきて、ネックレスやピアスを選ぶ男性が多いですよ. 女友達が積極的にボーイフレンドのアクセサリー着用を勧めますね. 耳に穴をあけに来る男の方たちも、際どいファッションピープルやまだまだ若い学生達よりも、素朴なみだしなみの20〜30代が多いです.”

広告や放送など、比較的自由な雰囲気の職場だけでなく、言論社や証券街など、比較的厳格に服装の慣習を守る職場の専門職従事者たちにも、装身具に対する関心は新しいことではない.
外国系証券会社に通うユン・ソンボム(31)さんは、前に通っていた銀行で正装の間からこっそり見える装身具のおかげで女子職員たちの‘愛情深い’視線を一身に受けた.
いまは外部の人に多く会わなければならないマーケティングチームに属するため、以前よりも制約を多く受けるが、カジュアル服が許される週末には気兼ねなく装身具を着用する.
似た年配の同僚たちも、彼と似ていて、今では全く突飛なスタイルではない.

“いつも同じシャツに同じズボンを履いて通う先輩たちを見ると、お金を稼いでもなにをするのか、という思いにもなります. 主に女友達から贈られたとしてピアスやネックレスをするのですが、個人的にこういうものに投資を多くする同僚がかなり多いですよ.”


カジュアルな‘ブリッジ ジュエリー’
写真/ 自分の身体に介入することが楽しく, 自信を持つことにも助けになるというのが、装身具を着用する男性の所感だ.(イ・ジョンヨン記者)

ユンさんのように正装をしなければならない会社員たちにとって、ワイシャツのボタンのかわりのカフスリンクスは、最近人気のあるファッションアイテムだ.
大部分のカフスリンクスは、企業体幹部や国会議員のような年齢の高い男性たちが権威や品位をあらわすために着用してきた.
そのため、金や宝石などを素材として多く使われてきたが、若い会社員たちが好むカフスリンクスは、軽い素材とモダンなスタイルだ.
芸能人たちに大人気を得て、最近早い売上伸張を見せるジュエリーブランド タテオシアンで最も人気のあるアイテムもカフスリンクス.
英国輸入ブランドであるタテオシアンから出されているカフスリンクスは、時計や羅針盤を変形したり、最近話題のサッカーボールなどをいたずらしたようにイメージ化した製品などだ.
ネックレスやブレスレットなどに打ち込まれてある宝石も華麗な純宝石ではなく、トパーズ・紫水晶などの低廉ながらカジュアルに着用できるもの等だ.
このように、宝石と軽いアクセサリーの中間の価格帯で、カジュアルでありながらも適当な高級さを見せることができる‘ブリッジ ジュエリー’は、今年から男性と女性を問わず、大人気を集めている.
最近めだつ男性装身具の特徴は、女性製品なのか男性製品なのかが区別出来ない程に繊細な製品が愛されるという点にある.
男性スタイリスト ジョン・ユンギさんは、“最近吹き始めた花ハンサム旋風と関係がなくはないようです.銀素材の細いネックレスや革バンドに十字架ペンダントなど、若干復古的ながら、男女の区分無しで着用できる製品が、今夏人気あるアイテム中のひとつ”と話した.
ジョンさんは“70年代以後に生まれた男性たちはめかしこむのが自身を表現する重要な手段中のひとつだという傾向が明確で, 強い男性性よりは繊細な女性性を美徳として感じるため、女性的な装身具着用に対する拒否感がありません”と指摘する.

国内ブリッジジュエリーブランドで、男性用製品製作とマーケティングに重点をおいた‘バースターター’は、昨年の春に、女性の専有物だと考えてきた真珠ペンダントを男性用製品に導入し、良い反応を得た.
男性たちの装身具に対する関心が広まると、一般ジュエリーブランドで男性用製品を増やす一方, 男性専用コレクションを本格的に市場に出すブランドも生まれた.
イタリアのジュエリーブランド輸入会社であるサスコ オエフは、去る6月20日、国内初めて男性専用ジュエリーブランドである‘カサノヴァ’と‘21世紀センチュリーマン’を市場に発表した.
カサノヴァはブレスレットなどのカジュアルアイテム中心で, 21世紀センチュリーマンは正装族のためのカフスリンクスなどが重点品目.
20代初めの若い男性よりは、20代後半から30代の会社員たちが主要ターゲット層だ.
イタリアでも、国家代表サッカーチームに製品を協賛するスターマーケティングを通して、若い男性たちの人気を享受しているブランドだ.

その売り場を訪れる顧客中の相当数は女性だ.
ボーイフレンドや夫にプレゼントしようという人々に劣らず、直接着用するために製品を選りすぐる女性も多い.
サスコのチェ・ボンシム広報課長は、“最近はドラマや映画に出演する男性俳優に製品を協賛するスターマーケティングが増えていて, 線の太い男性俳優よりはキム・ジェウォンさんやリュ・シウォンさん等、女性的で可愛い俳優に優先的に協賛します.
男性用製品, 女性製品の区別が無意味な程にユニセックスモードが装身具製品の大きな流れになりました”と話す.


‘重厚’のイメージを脱ぐ

30代中盤の大企業社員 イ某さんが好きな装身具も、女性用に近い細いネックレス.
彼は 3年前 “30代になったという悲しさと変化に対する欲求を感じながら、装身具に対して関心を持ち始めた”という.
“心の余裕を自ら強制しなければならない時期に、なにか外形的に変われば 良いという考えで、ネックレスとブレスレットをするようになりました”というイさんも、はじめは会社の人々の視線に負担を感じました. しかし、いまは“何より、私が以前とは変わったというよう良くて, 小さいけれど、私自身に対する自信を持つことにも影響をおよぼしているようです”とする.
すでに、周辺の同僚たちは彼のこのようなささやかなおしゃれを羨む程だ.

しかし、一度してみたらと勧誘しても、先輩たちは笑って“とんでもない”とごまかす.
男性たちが装身具を着用する流れを、たいした文化的行動だとみることはあまりに大きな意味を附与することだが, 無表情な街と事務室に小さな活気を吹き込むエネルギーのように見える.
自身が重みばかりにこだわる‘重厚な’先輩ではないことを言葉や行動で見せてくれることも重要だが, 軽い装身具を着用して出勤すれば、先輩を眺める後輩たちの視線がさぞ変わるだろうと言うことはできる.
特に、男性の装身具着用に対する女性の反応が概して良いという事実を念頭に置くならば、今夏、一度挑戦してみるだけ価値はある!
 

キム・ウンヒョン記者 dmsgud@hani.co.kr