2005年8月ハンギョレ21 571号

“エロ歌謡界のBoAを夢見ます”
2005年08月03日 第571号

エロソング・露骨ソング・ショッキングシリーズ テープ 100万個 チョン・ヒラさんファンたちの声援で日本語録音を終えて中国まで狙う

□ リュ・イグン記者 ryuyigeun@hani.co.kr

去る6月27日、トンネルを取材しようと江原道揚口へ行く途中だった. ソウルを抜け出して楊平を過ぎる頃、休憩所に車を停めた.
休憩所の売店の陳列台中央に見慣れないテープが視線を引いていた.
テープジャケットの横面に恥ずかしいポーズのモデルの上に ‘ヒット新商品エロソング’(正書法無視)の赤いタイトルがけばけばしく書かれていた. テープ前面には5ウォン玉大の丸い‘19’というスタンプ印があった.
“あれ〜 こういうものがあったのか!” 同行した先輩も珍しいという反応を見せた.
店の主人はこのテープがよく売れると耳打ちした.
“ねえ、これは記事になるよ.”
エロソング 3, 4集のテープ二本が一束で6千ウォンだった.
車に戻って座るやいなやテープを開いた.
‘幸い’(?) 歌詞や背景音楽には結婚した30代中・後半の私たち一行が聞くのに困るような一節はなかった. 酒の席でふざけながらよくする話, 体験する話がポンチャックの音調に乗って流れ出た. わたしたちは腹を抱えて大笑いして、笑って、また笑った.


△ 音楽出版社の歌練習室で歌うチョン・ヒラ氏.
彼女はエロ歌手という職業に堂々としていたし, 歌はそのまま自身の生だと話した.
(写真/パク・スンファ記者)

年輪が積まれてこそ出る味

かと言って、成人歌謡には品位があるか(?)そして、<ハンギョレ21>で扱わなければならないのか、迷わざるをえないことだった.
だが、重みをとらえる必要はなく、おもしろいからそのまま書こうという考えが先んじた.
‘エロ歌手第一人者’というタイトルを前面に押し出すチョン・ヒラ(46)氏に会った.
去る7月5日、彼女が所属する東大門三星音盤事務室でだ.
彼女は本名公開を願わなかった.
彼女が去る2001年から歌ったエロソング 1〜4集, 露骨ソング 1〜4集, ショッキング 1〜2集は100万本も売れた. ‘正統’(?)大衆歌謡界で、去る2002年以後100万枚以上売れた例がない音楽業界の不況を考慮する時、驚くべき数値だ.
価格は安い.
テープは普通二本一束で6千〜7千ウォンで売れる. CDはバラは4千〜5千ウォン, 二枚は8千〜1万ウォン程度する. 普通の半値程度だ.
しかし、著作権協会登録表示がある. 剽窃は謝絶だという.

ヒラ氏が選んだ最高の人気曲は<ソーセージタリョン>だ.
歌詞にちょっと目を通そう.
“生きるってウルールールー〜 エロソング セクシー女が行ったり来たり 入れたり出したり えんやこら ソソソ ソーセージよ/ ご飯だけ食べて ウルールールー〜 どのように一人で長い夜長をソーセージ一本無しで過ごせるの ソソソ ソーセージよ.” 彼女が同窓会の集い公演からの要請を受けて行って “わたしのソソソ ソーセージよ”を歌うと男たちはうなだれるらしい.
男子の性器を滑稽に描写していて、ちょっと下品な感じがする.


△ 楊平〜洪川へ行く道に位置した休憩所売店前の陳列台.
成人歌謡テープとCDは全南で一番たくさん売れていて, 高速道路休憩所のみだけでなくインターネットでも購入が可能だ.(写真/ リュ・ウジョン記者)


それなら、この曲はどうだろうか? “お兄さんはいいねえ/ お兄さんはいいねえ/ とてもお鼻が大きくて/ お兄さんはいいねえ/ よく言われるように/ 大きいんでしょうねえ/ ほんとはどうだか.” “九月紅葉に/ 菊の花は/ 霜のおかげで花が咲く/ 二十歳にならない処女は/ 童貞の懐で花が咲く.” 去る1994年、ソウル市で発行された<ソウル民俗大刊> 口承歌謡編に載った‘情謡’2編だ.
成人歌謡はいつもあったのだ.

大衆を相手に歌った成人歌謡は、我が国では彼女が初めてだという. 日本や他の国で成人歌謡は市場に出てきてから長い.
とにかくアイデアは大成功だった.
他の企業がセクシーソングなど、剽窃物を出したが, 一貫した人気を享受したことのは、エロソング・露骨ソング・ショッキングシリーズだけだった.
主消費層は30代後半から50代まで. 彼女は“全てのものを経験して理解することができる世代には同感することができる歌詞です”と話す.
同じ理由で彼女は“年輪が積まれてこそ、そのような味がある歌を歌うことができるのです”と、歌手として年齢が若くないのではないかという指摘を避けた.
彼女から正統歌手の臭いを探すことは難しい. 前面に押し出すだけの経歴がないのだ.
歌の実力を初めて認められたのは、去る1990年、近所のデパートのオープン行事に行って一等を獲て25インチテレビをもらったことが全部だ.
その後、オーディションを経て、夜の飲み屋を廻りながら他の人の歌を歌ってきた.
既に自身のレコードを出す彼女は、歌手としての自負心がたいしたものだ.
歌の実力を聞くと、“今の歌手たちは(自分だけを強調する歌手か)いないようなもの”と話すのを躊躇しなかった.
むかしは、歌手キム・チュジャ氏の歌を好んで, いまはイン・スニの歌唱力を評価する程で, 特に気に入って満足する歌手を見つけることができないという.
毎日タマゴの黄身を1〜2個とサムギョプサルを求めて食べて、喉を管理するまちがいない歌手であった. 酒とタバコは口にもしないプロだ.


歌唱力? 私ほどの歌手はいないでしょう〜

歌についてはそんなに神経を使わないという表情だ.
“いろいろ言う人たちも、みなそれ(歌詞)を体験しながら生きてきた人々ですよ.” そして、むしろ彼らの二重性を問うた.
歌に音楽性があるかという記者の反復された疑問に“メロディは単調だけど, おもしろいです.
わが国の人々にとてもよく合います”と答えた.
歌詞がちょっと刺激的(?)だということを引けばトロットとの間に何も壁がなかった.
彼女が歌った歌を信じようが信じまいが、エピソードも多かった.
“運転しながらわたしの歌をお聞きになった方があまりにも笑って、車を田んぼにつっこんでしまったって.” また、夫婦喧嘩をしていた夫婦がこの歌を共に聞いて笑ったところ、自然に和解したという話も聞いたと自慢した.
彼女の歌は性に関する全てのものを収めた. 性売買の世相を皮肉る風刺から、性教育までも扱う.
成人歌手である彼女は平凡に暮らしている家庭主婦だと自身を紹介する.
夫は職場に通って、子供たちは大学に通う.
“夫が、初めは、それも歌か?, そんなことを歌おうというのではないだろうな、と反対しました.
でも、いまは後ろで助けてくれます.” 子供たちもインターネットでホームページを作って歌詞を掲載する仕事を手助けするらしい.
収入は食べて生きる程度だと秘密にしたが, テープ価格の10%を固定収入として得ていた. もう腹を立てる必要がない.
韓国市場を制覇した彼女は、日本に続いて中国に進出する夢を見ていた.
日本輸出の道は既に開いた. 日本成人歌謡マネージメント社と協約が進行中である状態であり、エロソング 1, 2集の日本語録音を終えた.
“日本語の字はわかりませんが, 日本側にすればわたしの声と歌詞が結構よく合って, 日本語で録音をすることになりました.” 日本である程度成功すれば, 中国にも進出する考えだという.
彼女は“日本でBoAを夢見るのか?”という問いに言葉ではなく笑いで答えた.
それから“キム・ヨンジャ, 桂銀淑, チョン・ジェウン(李美子氏の娘)などが日本で活動しています.
ただ、BoAのようにマスコミに乗らなくてもそうでしょう…”と話した.
夏の休暇シーズンに車が渋滞につかまって眠い時, ‘成人’たちは彼女の歌を聞いてみてはいかが?