2005年9月ハンギョレ21 575号

ラブホテルで初めての経験をする
2005年09月01日 第575号

そわそわしながらも興奮して、なにか不純なことのようだったのに、結果は大満足 ラブする所, 寝る所, 夫婦が行く所ではないという理由がならなくはないだろうか

□ キム・ソンジュ/ 前<ハンギョレ>論説主幹 コラムニスト

私が好きな先輩夫婦がいる.
彼らは常に新しいことを受け入れる準備ができている人々だ.
普通の人々はからだと心が別で、心は一杯にしてもからだがよく従わないのに、彼らはそれが良いことならしてみるべきで, 新しく出てきたことにたいしてはすぐに動く.
それで、この夫婦との出逢いで私は常に新鮮な経験をする.
今回の夏もそうである. 先輩夫婦との短い旅行
過労死しそうなほど色々と忙しくて夏の休暇を考えることもできないが、彼らの招待で1泊2日の短い旅行に行った.
一日中歩いて、かなり遅く夕食を食べて酒も飲んだ後だった.
当然その近くのホテルやコンドミニアムに予約してあるものと思ったていら, ラブホテルで寝るというのだ.
ラブホテルとは… なんとも落ち着かず、なにか不純なことのようで、六十歳前後の初老人4名がラブホテルに入っていくとはけしからんというような気がしながらも、それと無く好奇心も発動した.
平然とそれは良いのか, どこにあるのか, いや、どこにセクシーな所があるか知っているのかと尋ねたら、決まった所はなくて、これからラブホテルが数十軒集まっている地域へ移動してラブホテルのウィンドウショッピングをした後に1ケ所を決めて入るということだった.
選択の基準は、新しいこと、有線で超高速インターネットが部屋ごとに敷かれていてインターネットできるということだった.
聞いていたとおり、ラブホテルは裏側に車庫が出ていて、道端から見られないようになっていた.
ラブホテルという先入観のために、私たちもそれと無く不倫の臭いのようなものを感じたかったが、意外にも、子供たちを伴った30代夫婦が平然と入っていく姿も目についた.
5,6軒を出たり入ったりして比べたが、1ケ所に泊まることに決定した. 丁度ひとつ残っていた特室は6万ウォン, 準特室は4万5千ウォンだった.
特室を先輩夫婦に上納して、わたしたちは準特室に向かった.


△チャンネルがすべて揃っている大きなテレビ, 清潔で快適な入浴施設…施設対価格満足度も高い. そして、他のホテルは一日に1組だが、ラブホテルは一日に何組もが続くという. 真にラブの力は大きい.


先輩は地方大学の教授なのであるが、授業がある曜日には学校近くのラブホテルで泊まるという.
コンドミニアムやホテルに比べて費用は低廉で、施設はなかなかということだ.
彼はノートPCだけ持って行って繋げば授業準備のためのインターネットができ, 部屋に冷温水飲用設備があって, カップラーメンも食べることができ, 大きなテレビがあり, チャンネル数は数え切れなく, 音楽を聞くことができ, 入浴施設はホテルより良くて, 部屋が広くて, 施設対価格がどんなサービス施設より良いというラブホテル称賛者であった.
ある日、自身が行きつけのラブホテルに入って授業の準備をしようとインターネットを繋ごうとしたら、たった今彼の弟子が泊まって行ったのか彼の出した課題がそのまま置いてあったという話もした.

終生ラブホテルに縁が無く、行くこともなく死ぬと思っていたのに、結果は大満足だった.
普通の観光地にあるホテルと同じならば、少なくとも10万ウォン以上は支払わなければならないほどの宿であった.
ラブホテルに対する固定観念は破られた.
今後、友人たちとも旅行をする時にはラブホテルに泊まるのが色々な面で経済的だと考えた.

ホテルといえば、寝て、食べて、ラブもして、会議もして、休む所でもあって、ラブする所, 寝る所, 夫婦が行く所, 恋人が行く所, 観光客が行く所が別でなければならないという理由はない.
新聞社にいた時、街にラブホテルが入ってくるのを防ごうと、学父兄たちが関係各所に請願書を出して荒々しくデモをしていた時にある電子メールを受けとったことがある.
その要旨は、この世には学父兄の立場しかないのかということだった.
つまり、夫婦ではない成人のシングル男女はどこへ行って寝なければならないか, 一般的なホテルはあまりに高く、旅館はあまりにも居づらく、クルマがあってこそ郊の閑静な所に行くことができるのに、愛も金がある人だけがするのか, 値段が安く、施設が良くて行きやすい所が職場や自宅の近くになければならないのではないか, 男女が愛を交わす空間を売春現場のように不快に取り扱うのは正当なことなのか, 愛とは夫婦の寝室でだけなされるべきことなのかという内容だった.
それとともに、<ハンギョレ>のような所でそのような問題提起をしてくれなければならないのにもかかわらず、ラブホテルを嫌悪施設側に追い込んでいると不満を吐露した.
それも一理ある話だと思ったが、完全に発想の転換をするのは難しかったし、実際の世の中がそれに追い付くのが難しいだろうと考えに追われたことを思い出した.

このような安値でもホテルが維持できるのなら、他のホテルはあまりにも高くはないかといったところ、先輩はホテルは一日に1チームだけを受け入れるけれど、ラブホテルは一日に何チームも投宿させることができるから利益になるという. 本当ににラブの需要は多いのだなと首を振った.

先輩夫婦と朝御飯を食べる時に先輩の夫人が話した.

最近の若い子はとて良いでしょう? 恋人たちが利用する清潔な施設がこのように随所に散在していますから. 私達が若い時期には、恋人同士で行く所もなくて、主に陰鬱な旅館, 汚らしい施設で初めて経験をする場合が多かったですよ. もちろん、結婚式を挙げて新婚旅行に行って生まれて初めておしゃれなホテルで初めての経験をする場合も多かったけど.
旅館から出る時、犯罪を行っているような汚い気がしたのは、恐らく施設のせいだったのでしょう.
今の若者達はホテルに行って愛も交わして映画も見て宿題もしてゲームもして入浴もできるので、どれくらい良いことでしょうか. わたしの息子にも教えたいわ…

夫唱婦随というが、先輩のようにその夫人も新鮮だった.
恐らく娘二人を育てるお母さんとして、娘たちにいつか起きることが陰鬱ではなくて清潔な環境でなされることを願う心配と配慮も孕んでいるようだった.
私は先輩夫婦のこのような発想に相槌を打ちながら、気分が自ずから明るくなった.
自分の息子にもこのような施設があるのでそれを利用しろと言いたいとまで聞いた.
もちろん、彼らも既に何度もそのような施設を利用しているかもしれないけれど、という話だ.
ラブホテルに行ってみたと近所の人に自慢したところ、ではラブホテルに生まれて初めて行ったのですかと疑問の眼差しを送る人もいた.
そうであるかと思えば、そこはどこにあってどうやって行くのかと根ほり葉ほり問い質して露骨に興味を見せる友人もあった.
全国津々浦々にあるのがラブホテルだという, どこかに行ったら新しくできた所に泊まれば良いそうだよ、と言ったところ熱心に聞いていた.
先輩夫婦とは秋にもう一度旅行に行くことにした. どんな新しいレパートリーが待っているのだろうか. もちろん、今回も見知らぬ都市に行ってラブホテルを巡礼してみようといった.