2007年3月ハンギョレ21 651号

アー・ユー・ジェントル 駐車マン?

2007年03月15日 第651号

アー・ユー・ジェントル 駐車マン?

クルマとクルマの間で‘リンボーダンス’をする朝, アノミーを超えてコマ状態に達したマナーのない駐車戦争…駐車は‘どこにでも’ではなく、配慮の技術, 駐車とクルマ購入が連係したキャンペーンはどうか

□ ノ・ジンス <自動車生活> 記者

なくてなならないなにかが欠落した社会は、その後遺症が長く持続する.
モダニズムを飛び越えたままポストモダニズムを論じ, 存在(being)に対する真摯な悩みを欠落したまま ウェルビーイング(well being)を叫ぶ大韓民国は思春期を飛び越えた<喪失の時代>のナオコのように絶えず揺らぐ.
私達の社会は自動車を買って転がす方法ばかりを知っていて、クルマを運転することに関する真摯な悩みもやはり性急にパスしてしまった.
そのような問題が集約されて、鮮明に表れているのが駐車問題だ.
クルマを礼儀正しく扱うことに対する社会的悩み無しでクルマを買って乗っているうちに私たちの駐車場はいつのまにか戦争跡地になった.


△ イラストレーション/ チョ・スンヨン

2列にわたって挿入駐車, ボンネットを開いてながめる…

早朝、眠い目をこすりながらアパートの駐車場に出てくると、わたしのクルマの前に二重駐車のクルマが粘っている.
まだ重いからだでクルマを押してみるが、びくともしない. 運転席を見ると、サイドブレーキが堂々と引かれている. クルマをどかしてくれと電話したくてもメモが見当たらなくて結局憤りながらバス停や地下鉄駅に走る.
メモがついていて電話をすれば連絡を受けて出てきた車の主が謝罪の一言も無しに, 時々は居直って逆切れすることもある.
サイドブレーキが引かれていなくてクルマは押せるのだが、ハンドルが真っすぐになっていなくてクルマが対角線に動くのはまたどういうことなのか.
自身が運転席から降りられさえすれば、他の人々が抜け出すことができない程度ぴたっとクルマを置いて、‘リンボー’をしなければならない時もある.
この中で駐車されたクルマをかろうじてどけられる水準の筋力を保有するようになった女性運転手も重さ2tを超える図体の大きいスポーツユーティリティ車両(SUV)がクルマを遮っていた時には泣きたい心情だ.
駐車のために精神的恐慌の‘アノミー’状態に達するのだ.

新しい車を買って停めておいたらクルマの横腹にドアの角をぶつけられていわゆる‘ムーンパン’(あるいはムーンコック)テロをくらった時はアノミーの彼方にあるという‘コマ’の世界へ陥ることも.
時々、高級車や輸入車オーナーの中には横のクルマからのムーンパンテロを防ぐために、駐車ラインのまん中に車を停めて2台分の空間を独占する伝説の‘鉄板面相術’まで登場する.
私たちのアパートと公共駐車場は、それこそ厚顔無恥の伝説的英雄に人面獣心の悪党が出没するほどだと遠回しに言うに値する.

駐車戦争においては、住宅街裏面道路も省けない.
駐車の実力はもちろん、‘居住者訪問車両’など、一筋の権力が動員される総力戦が繰り広げられる.
苦肉の策として、‘車庫前 駐車禁止’‘大門前 駐車禁止’などを付けておいたり、オレンジ色の駐車禁止標識を掲げたりするが、駐車する所がなくてグルリと廻ってきた運転手ならばさっと表示板を降ろして失礼をするのみだ.


△ 公権力は不法駐車に不法駐車ステッカーと牽引車で対抗する.
牽引車保管事業所ではクルマを強奪された運転手たちの絶叫がこだまする.
(写真/ ハンギョレ カン・ジェフン記者)

市内道路も特に違わない.
不法駐車されたクルマで交通の流れが常習的に麻痺する.
少しの間駐車する車両は1列に長く並んだ車両のために道路のまん中を‘急駐車’モードに変え、その後に従っていた車両は車線を変更する.
だから、あるドーナツ業者のTV広告が見せる‘駐車秘法’は、笑わせるよりも悲しい.
クルマのボンネットを開けて中を覗いていた男子は女子がコーヒーとベーグルを買ってくると、さっさとボンネットを閉じて車の中に乗り込む.
忙しい出勤の交通に駐車が堪え難い状況であることから絞り出たアイデアだったことだろう.


崇高な儀式のようなサイドミラー畳み

駐車する所は間に合わないのに、不法駐車には代価が待っている.
公権力は不法駐車ステッカーと牽引車で対抗するのだ.
時々は大きな不法駐車ステッカーを補助席前ではなく、運転席前のガラスに貼る超強行手段をすることもある.
そのような中で、牽引車保管事業所にはクルマを強奪された運転手たちのわだかまりが生んだ絶叫がこだましている.
官庁の民願室 交通指導課, 日刊紙の読者投稿欄には駐車マナーを訴える投書が絶えない.
結局、駐車是非の末に殺人事件が行われたこともある.
昨年9月には大邱で駐車空間の主人が貨物車の運転手と駐車問題で悶着を繰り広げて亡くなった事件が発生し, 同じ時期、釜山では駐車問題で鈍器を振り回して重傷を負わせたこともあった.
2004年には警備員が駐車問題の果てに入居者を殺害した後に自殺したことも.
このくらいになると、火が吹き上がる時にクルマのオーナーが横にいない方がいい.
そのような場合には、クルマに対して憤怒が向かう. クルマの横腹に穴をあけたり鋭い物でボディに傷をつけたりすることは茶飯事だ.
この土地の英特な先覚者たちがいち早く韓民族から‘銃器所持の自由’を剥奪したことは神の祝福だ.
そうでなかったならば、住宅街裏面道路と古くなったアパートの駐車場は火薬の臭いの漂う戦場になっただろう.
大門前あるいは車庫前をねらう隣人たちから夜遅く帰宅する父の無事な駐車のためにお母さんは夜ごとマグナム弾を拳銃に装填していたはずだ.
このくらいになれば駐車のせいで‘内戦’を体験する最初の国家になることも….

このように凄絶な駐車環境では‘電動自倒式サイドミラー’は実質的な効果よりも心理的な安堵感がより大きい代表的な装備だ.
駐車を終えた後、一番最後にサイドミラーをたたむ姿は、離れている間のクルマの無事を祈る崇高な宗教儀式に見える程だから.
事実、駐車問題の本質は‘クルマをどこに置くか’ではなく、隣人あるいは他人をどれくらい配慮するかだ.
不法駐車をしても他人を配慮したかどうかは、クルマの停め方だけを見てわかる.
駐車後、オーナーはもちろん良心までも撤収してしまった光景は明るい都市生活を悲しくする.
他の運転手を同僚や友人ではなく、‘敵’あるいは‘ライバル’として認識する考え方から抜け出し、彼らを‘運転同僚’とみなす態度が必要だ.
万一、私が大きな事故を体験する時、救急車と警察車両を呼んでくれる人はまさにわたしの周囲の他の運転手たちだからだ.


△ ‘駐車禁止’と書かれている表示板の前にクルマを停めている様子も珍しくない.
(写真/ハンギョレ)

クルマを買った時も、どれくらいよく走るか高速道路で走ってみる前に、一番にまずすべきことは運転席に座って車体の大きさを計ることだ.
例を上げると、友人や同僚に頼んでクルマの裏側50cm程度のところに立ってもらった後、サイドミラーで友人とクルマの距離感を反復的になじませることだ.
よく見えない右側前部も、このような方式で目を養うと狭い空間でクルマを扱う時に大きな助けになる.
これは、運転手の‘礼儀’と同時に駐車をしても運転しても他人に不便を与えないための良識ある運転手としての第一歩だ.


運転免許学院でマナー教育を

最近、公共駐車場には障害者専用駐車区域が一定の割合で用意されている.
障害者のために準備されているそこを急ぐ心から非障害者が占めないようにしなければならないこともちろん、障害者ステッカーを貼っただけの非障害者もやはり使用を避けなければならない.
やむを得ずジグザグに車を止めても他のクルマと歩行者の移動に支障を与えないようにしなければならず, 駐車する隣人のためにメモを残すのは基本だ.
何より、車を運転してどこかに出る時、運行コースだけではなく、到着後どのように駐車するかに関する計画まで建てる習慣をつけよう.
自分の不便を正す前に他人の不便をまず考えるならば、私たちの駐車文化はいっそう美しくなるはずだ.

政策的な後押しも必要だ.
韓半島の1.7倍の面積に1億3千名が混みあって暮らす隣国・日本の駐車問題は我が国よりもっと大きくならざるを得ない.
だが、日本ではクルマ購入と駐車を法律的に連係する.クルマを買う時、駐車空間を確保しないと許可をしてくれない.
駐車空間を作らないとクルマを買うなどという夢は見ることができないのだ.
これから政府もまたクルマを買う前に消費者が真剣に悩まなければならない問題として、維持費やクルマ代のみだけでなく駐車空間までも念頭に置くようにキャンペーンを行うべきだ.

狭い駐車空間をより一層狭くさせる大型車選好も政策的に変えていくことが必要だ.
昨年、ヨーロッパ市場全体で販売される自動車の90%がCセグメント(ヨーロッパと米国の車体の大きさで分類する基準)以下の小型車であった.
現代ソナタとグレンジャ−が販売1,2位を走る我が国とは全く異なる風景だ.
去る一年に売れた国産車中で軽自動車は4.2%(約3万9千台), 小型車は23.9%(約22万4千台), 中型車は27.6%(約25万8千台), 大型車は 15.8%(約14万8千台)であった.
ここに、図体の大きいSUVと起亜カーニバルのようなミニバンまで加われば、全体販売台数の半分以上が中型車以上級になる.

もちろん、学校で習った‘道徳’教科書通りに社会が回るのではないが、運転免許を学ぶ学院で免許試験に合格する技術だけを教えるのではなく、運転マナー, 配慮の技術も教えたらどうだろうか.
“次の中で良い駐車状態は?” “他人を配慮する駐車方法として正しいのは?” “少しの間駐車する時に残さないと終生後悔するものは?”….