2013年6月ハンギョレ21 966号 

解職記者が復職を待って作りだした‘世の中で最も美しくて悲しいスピーカー’クールベ

 [人と社会]

パク・ソンジェ MBC 

“空気が感じられる.”

聴音室に座った人が言う.
人間の声が機械を通過してきたという事実を忘させる.
自然だ. 生き生きして澄んでいる.
メタルを大きく鳴らすと声が迫ってくる.
今しがた出発したばかりの会社 PSJデザインの初めてのスピーカー‘クールベ’だ.


一生聞く, WAFを満足させるために可愛く…

PSJデザイン代表は‘前MBC記者’パク・ソンジェ.
そのままパク記者と呼ぼう.
代表の肩書は臨時職, 出勤しないが記者だ.
パク記者は丁度1年前である2012年6月20日、MBCから解雇された.
長かったMBCストライキの詰めのだった.
共に解雇された記者・PDたちと無効訴訟を提起することはしたが、いつ復職できるのか暗澹だ.

“12月の大統領選挙を待ってみようという結論でした.
大統領選挙後に転換点が生まれることを期待したのです.”

時間を送ることを探さなければならなかった.
解雇になった同僚の中の誰かは博士課程に登録し、誰かは旅行に出発した.
パク記者は木工芸にたった.
木工芸で30年間ずっと関心を持ってきたオーディオを作ってみてはどうかと思った.

“マニアの中には自作スピーカーを作る人がまれではありません.”

他の人々みながすることではなく、他のことをしてみたかった.
‘一生聞くスピーカーを作ろう’が、もう一つの目標だった.
何より‘WAF’が主要に作用した.

“オーディオの趣味でお金が多くかかったら、妻の許諾が絶対的に必要です.
それが‘妻受け入れ指数’(Wife Acceptance Factor)です.”

可愛く, 妻へのお願いだった.
 

マニアが愛用するノルウェー産ユニットを注文して受けとった. そして、樺でユニットを覆いかぶせた.
樺は響きが良くて、安定していて、バイオリンなどの楽器を作るのに使われる樹で, ‘自作’ スピーカーを作る時もよく使用する.
ユニットを四角にして覆いかぶせれば音が角でぶつかるのは‘音響学’の真実, 彼はユニットを丸く覆いかぶせるエンクロージャーを作った.
響きが良いながらも‘世の中で最も美しいスピーカー’はそのように誕生した.
名前は‘クールベ’とつけた.
クールベは‘焼いた’という意味のフランス語.
パク・ギョンシン教授が放送通信審議委員審議に疑問を提起したが、わいせつ物有罪宣告を受けた<この世の起源>の作家クールベとは関係ない.

“悪くない誤解でしょう.”

完成後、身を置いていた同好会員を招待して聴音会を開いた.
その場で2人が自分用に作ってくれと注文した.

“ちょっと高いんですが.”

工業用ボンドで付けた樹の表面をいちいち整え、紙やすりで磨いて色合いを出さなければならないので‘量産’は不可能だ.

“かまいません.”

工房に話して‘製品生産’にたった.
工房の3人がかりで1ケ月に4〜5台作るのがせいぜいだ.
6月11日現在、3台を設置して、3台の注文を受けた.


代表の名刺を刷っても‘会社’はMBC

クールベの絵に、<お元気ですか, クールベ氏>という革命的作品がある.
パク記者もそのように元気だ.

“解職生活を粘る力でしょう.”

無効訴訟判決は今年の末ならば出てくるか, ひょっとするとYTN社のように5年もかかりはしないか.
ところが、もしかしたら、うまくいけば復職するのが嫌になりはしないか.

“1ケ月に2〜3台の注文が続けばうまくいくかもしれないが, 復職さえできれば未練無く他の人に引き渡します.”

インタビューが終る時、パク記者は“会社に戻ってこそですよ”といった.
明日、スピーカー設置作業があるという日でもやめるのか? “解雇1周年だから、労組から夕食をしようと言ってきましたよ.” 代表の名刺を刷っても、彼の会社がどこであるかということは疑問の余地がない.


文・写真 ク・ドゥレ記者 anyone@hani.co.kr