99年4月252号ハンギョレ21

充実したCD, ‘シングル’が出る.独立CD製作社, 本格シングルCD初登場


…先進国型価格政策等、CD市場変化を予告

hangyore99_252_2.jpg (13347 バイト)(写真/‘INDIE’からシングルCDを初めて出すチームは、釜山出身の3人組ロックグループ ‘エブリ・シングル・ディ’. 名前のように‘毎日私たちの耳元から離れない’爽やかで楽しい音楽を披露する.)

媒体の変化が内容の変化を伴うということは敢えて言うまでもなく、私達は体験でわかっている. また ウォルター J.オングなどの言語学者は、いわゆる口述文化と文字文化間の差異点を考察して、文字文化時代を生きる私たちが当然に考えるいろいろな文化的慣行が、実は、文字という媒体によって構成されたものであると痛烈に明らかにした. 私たちには新しい, したがってなじみがうすい‘シングル’という媒体がCD業界に登場するという話を聞いて、まず考えたのは、このようないくつかの点だ. 端的に、シングルといううつわは、新しい内容で応えるはずだ. それが、良い内容か悪い内容かを正すのに先立ち、新しい内容が, 新しい音楽が登場する可能性が生じるということ自体がなにより懐かしいことだ. 今、同じ時代に、すこしでも‘多様になること’は、美徳に近いといえる.


80mmCDで既存アルバムに挑戦


いままで、韓国CD業界で流通された音盤は、一枚のアルバムに10余曲ほどの歌が入っているLPやCD,そしてテープで全部であった. もちろん、シングルがまったくなかったのではない. ‘ピピ・ロングストッキング’というバンドが2曲入っているシングルを発売したことがあり, ‘ソ・テジワアイドゥル’も、外国のEPに該当するシングルとアルバムの中間くらいになる分量の歌を収録したCDを出したことがある. しかし、これらの例は、全面的なシングル市場の形成に達しない、単発性の試みに終わった. それに比べて、今回、独立CD製作社の‘INDIE レーベル’(以下 INDIE)が発売に乗り出したシングルは、単発性ではなく、市場形成を目標にしている点で、以前とは別の試みに映る.

INDIEが採択したシングルCD媒体は、既存の120mmCDより小さな80mmCDだ. 米国ではシングルといっても、一般CDのような大きさの120mmCDであり, 日本ではシングルの場合、80mmが流通されている. つまり、今回INDIEが採択した媒体は‘日本型’シングルだ. 4月1日から本格的に発売する計画を立てているINDIEは既に10を越えるタイトルを確保している状態であり, 50余のシングル新譜を準備していると明らかになっている.

これまでシングル市場が形成されなかったのにはいくつかの理由がある. まず、シングル市場の‘市場性’に対する確信の不在だ. 次に、シングル市場が引き起こす、既存アルバム市場の萎縮に対する潜在的憂慮がシングル市場の形成を防止した. そして、新しい媒体に対する、一種の恐れもあった. また、価格決定の問題もあった. 事実上、CD価格がほとんど談合で決まる韓国CD市場の特殊な事情を反映した、大きな課題だ.

このような状況で、INDIEレーベルが‘独立’レーベルらしい攻撃的な方式でシングルの市場の始まりを告げている. 消費者価格を4500ウォンに定めて、価格をアルバムに表示するらしい. この方式は‘委託販売’方式を採択しているINDIEと同じ場合にだけ可能だ. INDIE側の説明によれば、CDに関する限り、‘全国どこででも同じ価格で販売される価格正札制の時効’に移行する展望だという. このような価格政策は、日本の場合のようだ. いわゆる‘先進国型’だと言える.

シングル市場の形成がどんな影響を及ぼすかはまだ未知数だが, 数種類の肯定的な効果を期待することができる. 音楽する人々の場合, 多くの曲が入っているアルバムを製作する費用がなくてもCDを製作できる機会を得るようになる. シングルが良い反応を得れば、その後、アルバム製作を試みるはずだ. 消費者の場合には、選択の幅が広くなるという利点がある. 10余曲を収録した一歌手のCDを義務的に買わなければならないことと比較すると、そういう事実を容易に察することができる.


消費者の選択の幅も広くなり…粗製CDを追い出すことも


もちろん、否定的な効果もなくはないだろう. 音楽性よりは単発的な人気を狙ったシングルが製作される確率もあり, そのようになれば、シングルが大衆音楽の芸術的質をむしろ落とす契機になりうる. また、製作が易しいからといって、むやみに出版すれば、そのCDをどのように内容に富むように広報するようになるかも未知数だ. 広報されないまま、死んでしまうシングルが多くないとも限らない.

しかし、いろいろあるだろうが, ‘既存の方式’だけを固守しようという、CD流通業界に、すこしではあるが波紋を起こすということだけでも、シングル市場の開幕は歓迎するだけのことはあることだ. 今、世界はシングルかどうかを正すことよりはるかにより遠くにある. インターネットで‘ダウンロード’したサウンドファイルに、どのように著作権料を付けるかが論議されている最中だ. 3月に開かれた米国のCD業者連合(NARM)会議では、既にこの年末に ‘DVDオーディオ’が市販され始めることを明らかにしている.

新しいことを恐れない心! INDIE側の表現通り、シングルが‘沈滞と旧態のドロ沼に陥った国内CD市場’にいかなる変化の風を巻き起こすかが注目される.



ソン・ギウァン/ 大衆音楽評論家


ハンギョレ21 1999年 04月 08日 第252号 .

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文化 . “良い曲だけを選び、完成度を高めた”


インタビュー/ キム・ジョンフィ INDIE レーベル レコード製作室長

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-何故、シングルなのですか.

=新人アンダーバンド(註:undergroundのバンド.オルタナティブやパンクを中心に、この数年韓国で活動が盛んになっている独立系バンド)の場合、まさにアルバムを出すことが負担になって、デビューの障壁になってきました. 前面に押し出す曲は2〜3曲なのに、アルバムを出すために10曲程を作らなければならないのです. だから、アルバム自体の完成度が落ちるしかなかったわけです. シングルを出して、消費者の趣向や自分自身の音楽スタイルを点検することができるのも長所ですね. 見本市のようなものです. また、アルバムは製作・販売期間に1年ほどかけなければならないのですが, アンダーバンドたちにとってはあまりにも長すぎます. シングルは6ヶ月に1枚ずつ出せます. 一方、既成の人気歌手たちとアンダーバンドが市場で同じ価格で競争することは非常に難しいのですが, 価格競争力でも楽になります.

-これまで数回出た、シングルレコードが特に特徴を出すことができなかったのですが.

=最近では、キム・ゴンモとビジュのシングルがありました. ところが、キム・ゴンモは2曲で5500ウォン, ビジュは3曲で7500ウォンでした. 製作費はアルバムより安いのに, 卸小売業者が高い利潤を付けて、価格を高く設定したのです. こういう価格では、シングルが市場で競争力を持つことができません. 主流音楽側では、人気作曲家の作曲費が非常に高くて、シングルレコードでは収支を合せるのが難しいという点があります. シングルが出れば、代表曲を中心にするスリムなアルバム製作へと、慣行が変わって、アルバムの水準も高まるはずです. シングル市場が形成されれば、消費者は選択の幅が広くなりますよ.

-1枚4500ウォンの正札制ですね.

=アルバム価格の半値以下にするということが原則です. アルバム一枚の価格を1万ウォンとすると、5千ウォン以下になります. 4500ウォンよりもっと価格を下げたかったのですが, 卸小売のマージンを考慮すると、これ以上下げるのが難しかったのです.

-市場性がある程度あるとみますか.

=独立レコード社でアルバム製作する時、1枚に1千万ウォンかかります. その時の損益分岐点が3千枚でした. 独立アルバムの中でも、たくさん売れて、1万枚近く行ったこともありました. シングルの製作費は、1枚に500万ウォン以下と定めていて, 損益分岐点は4千枚とみています. シングルの価格を考えると、はるかに可能性があると思います.

-独立CDの場合、販売が問題になりませんか.

=全国のレコード店は、4千軒程度ですが、いずれシングル専用へと転換するのが、500ケ所程度でしょう. 中大型売り場と大学街の売り場はほとんど大部分カバーすると見ています. このCDは、200余郡にある直売店だけでなく、シンナラ等の全国12主要卸売商を通じて小売り商にも入っていきます. それで、今までアルバム初版を2千〜3千枚程度作っていたのですが、シングルの初版は1万枚作る計画です.

-独立音盤社はオーバー(註:over.underに対する.つまり、メジャー)の壁を破ることができないのでは.

=外国では、アンダーとオーバーが循環する場合が多いですよ. アンダーバンドが主流市場で評判になったり、独立レコード社がメジャーレコード社になることもあります. 韓国ではINDIEとオーバーが協力して、共存することが良いと思います. アンダーとメジャーのお互いの疎通ができなければ、停溜して腐ってしまいます. お互いに影響をやりとりしながら、活力も得て、流れも交流していくのです.

キム・ギュウォン 記者


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