2001年2月270号 週刊東亜 

‘離婚の緋文字’を消す 戸籍洗濯

第270号/2001.2 .8

過去の 痕跡削除 転籍, 一家創立急増 … ‘人生の傷’を片付ける誤った認識がより問題を…
'過去を聞かないでください.’ Pさん(31)は、結婚5年後、昨年6月に夫と協議離婚した後、深刻な苦悶に陥った. IMF事態以後、夫の借金のおかげで慰謝料もろくに受け取っていない彼女は、生活苦解決のために、すぐに就職戦線に飛込んだが、入社はもちろん、以後の職場生活で離婚経歴のために、身分上の不利益をこうむることになるのではないかと心配になった. 悩んだ末に、Pさんは実家に復籍した本籍を捨てて自ら戸主になることで、離婚記録が残らない一家創立を選んだ. ‘離婚女’よりは‘独身女性’として通すためであった. 彼女は、現在、ソウルのあるドットコム企業に2年目の勤務中だ.

2年前、妻と性格の違いで別れたKさん(32)も、やはり再婚を控えていたときに惑わなければならなかった. まだ、自分を独身だと思っていた再婚 相手の女性とその家が、結婚後に自分の離婚経歴を知った場合に衝撃を受けることが憂慮されたためだ. 結局、彼は‘過去の痕跡’を消すために、本籍を大邱からソウルに移した後、昨年12月新しい妻を娶った. Kさんは、“本籍地を移せば、戸籍に離婚経歴が残らないという友人の助言があった”としながら、“よくはないと見なされる身分上の記録を隠したいのは、人の当たり前の気持ちではありませんか”と反問した.


女性一家創立 99年 5万1千余件

自身に不利に作用する身分上の記録を隠そうと戸籍をきれいに整理する, いわゆる‘戸籍洗濯’が増加している. これは、大法院が、97年12月に本籍地を移す転籍手続きをふめば、離婚理由等の‘現在効力がない身分変動事由’が、転籍によって新しく編成された戸籍では削除されるように戸籍例規を改正したのに伴ったことだ.

以前は、誰でも戸籍上に離婚経歴がそっくり残るほかなかったが、例規改正で、戸主である男性も関連記録を隠すことが可能になり, 女性の場合、既にさる91年1月から、一旦実家に復籍した後に単独分家を通じて戸主になれば離婚記録が残らない一家創立が許容されていて、区-郡庁にはこういう‘戸籍洗濯’申請者が列をなしている.

“戸籍例規改正直後から、転籍申告が 一日20余件以上殺到しました. しかし、例規改正以前の離婚者中の相当数がこの3年間に‘戸籍洗濯’を終えた今でも、毎月30件程の転籍申告が着実に連なっています.” ソウル 鍾路区庁戸籍関係者は、“転籍申告事由中の相当数が、離婚によるものであり、特に構造調整や失職にともなう家庭解体で離婚した男性の転籍事例も少なくないのです”という.

申告期間に特に制限がない、このような転籍及び一家創立は、日々急増する離婚(1999年 国内離婚11万8000余件, 2000年 統計庁 発表)と噛み合い、より一層普遍化している. 大法院 統計担当官室によれば、戸籍例規改正直後の98年から、全国の転籍件数は毎年4万余件を上回っている. その上、女性の一家創立は、初許容年度のさる91年に1万1897件に留まっていたのが、96年には2万4260件に達し、97年 3万533件, 98年 4万4575件, 99年 5万1032件(2000年 統計未算定)で、爆発的増加趨勢を見せている.

区-郡庁で転籍及び一家創立申告時に該当事由を別途に調べない行政慣例上、離婚にともなう‘戸籍洗濯’の正確な統計数を調べられないが、一家創立の理由は、大部分が離婚のためだという現実を勘案すれば、実に途方もない数値だ. さらに、離婚女性には、一家創立と実家復籍中から択一できる機会が与えられるのだが、離婚記録がそのまま残る実家復籍(入籍を含む)件数は、年平均2万余件で、一家創立の半分にも達し得ない程度で、明確な対照を見せる点もまたこういう傾向を後押しする.

犯罪や身分洗濯目的で頻発した戸籍上の-変造を防ぎ、個人のプライバシーを保護しようという趣旨の戸籍例規改正で可能になった転籍手順と一家創立制度が、‘本籍地移転’という、場所的概念を越えて、離婚男女のための一種の‘赦兔状’というほどに認識されているわけだ.

果して、このように‘洗濯’できた戸籍は、当事者の思惑通りに‘永遠な秘密’として埋められることができるだろうか.

“転籍や一家創立手順だけでは、離婚経歴が完全になくなりはしません. 除籍部には、離婚はもちろん、入養, 破養記録 等、あらゆる個人の身分変動事項がそのまま残ります.” 大法院法政科 イ・ソヨン 戸籍係長は、国民の身分関係を登録して公証することが、現行戸籍制度の趣旨であるだけに、‘戸籍洗濯’で身分変動全体を否定することはできないと話す. 除籍等-抄本を通じて、いつでも初婚の有無を確認してみることができるということだ. 

もちろん、今年1月4日から公布-施行中の改正戸籍法施行規則が、戸籍-除籍簿閲覧及び-抄本交付を請求事由が明白で私生活侵害等の悪用素地がない人にだけ許すという制限を作り、誰でも閲覧可能だった過去の弊害を除くとはあるが、結婚予定者等の当然な事由を揃えた人の場合、相変らず制限がないためだ.


除籍 等-抄本にはそのまま残る

実際、顧客の信頼性確保が生命といえる、大多数の結婚情報会社は、初-再婚 新規会員加入時に戸籍謄本を必須書類として受けるが、変造された事例が随時発見されると、2, 3年前から、本人の委任を受けて除籍簿まで追跡している.

“この頃は、離婚事実自体を隠す会員はほとんどいません. しかし、就職などを理由に、戸籍をきれいに整理していた離婚女性の場合、時々、子女の養育関係などが不明確なケースがあり、確認は必須です.” 再婚成功率が30%に達する、鰍謔「出逢いソンウのパク・ミスク再婚チーム長の話だ。 彼女は“生活の便利性という、元来の目的より、自身の負担になる‘過去’のために‘戸籍洗濯’をする人々が多いのですが、これは、いまだに離婚を‘ビッグニュース’として, 離婚者を社会不適応者や人生の落伍者として烙印を押したり、同情するという、誤った社会風土のためです”と指摘する.

‘戸籍洗濯’への選好は、あちらこちらで発見される. 離婚-死別の傷治癒を標ぼうしたコミュニティサイトの ‘ソロサイト’(www.ssolo.com)に、正式会員として加入する場合、戸籍謄本を提出して、自身が離婚していることを立証しなければならない. このサイトの1万3000余の男女会員中、独身者を除外した離婚者は80%. サイト運営者 ナム・ギュンさん(32)は、“彼らが提出した戸籍謄本も、やはり転籍や一家創立を経た以後の戸籍が大多数です”とさらけ出した. ‘戸籍洗濯は、新しい出発のための基本’という、離婚者たちの変化した認識を覗くことができる大きな課題だ.

そのため、一部では、‘戸籍洗濯’に対するこのような盲信が、もうひとつの家庭問題に発展する不幸な事例が繰り返しかねないという指摘まで出てきている.

“多くは無いが、再婚後に配偶者の過去の婚姻経歴が一歩遅れて表面化して、家庭不和が生まれて相談を依頼する事例を1年に2, 3件は受け付けています.”戸主制廃止運動を繰り広げている家庭法律相談所 ジョ・キョンエ相談委員は、“若い離婚女性であるほど、戸籍洗濯に対する関心が高く、離婚経歴削除と関連した相談をしばしば依頼してきます”としながら、“戸籍制度の全面改編がなされない限り、‘戸籍洗濯’は、多くの問題点を派生するしかありません”と、区切って話す. 究極的には、既存の戸籍制度に代わる、個人別(1人1戸籍)身分公証制度が用意されるべきだということだ. この点は、戸主制廃止が、今年の女性界の話の種だという点とも関係がなくはない.

離婚経歴が人生の‘傷’や‘あざ’など、恥部になる社会. ‘一点の曇りもない’戸籍を持とうという‘戸籍洗濯’の熱望は、容易に沈静しそうにない. 





<キム・ジンス記者 jockey@donga.com >