2001年5月283号 週刊東亜

韓国の‘至尊無上’を夢見る 

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‘江原ランド’2階 VIP会員専用ルーム… ゲーム一本に、最小3百万ウォン ベッティング, 最高級賭博文化の現場 


内国人用カジノ‘江原ランド’の2階には、エメラルド, ダイアモンド 等、宝石の名前が付けられた4つの部屋がある. いわゆる、VIP会員専用カジノルームだ. こちらは、一般人やマスコミの接近を許さないし、‘特別に’許可された人々だけが出入できる. 

しかし、江原ランドが開場6ケ月に入りながら、VIPルームに対する一般人の関心はますます高まっている. 多くの‘ギャンブラー’たちは、“江原ランドのVIPルームが‘最高級賭博文化’を韓国社会に移植させている”と話す. そこがまさに韓国版‘至尊無上’が胎動するゆりかごだということだ. 神秘に包まれた密室, 内国人カジノのVIPルームでは、今、どんなことが行われているのか. 



3千万ウォン預置し、ゲーム実績によって会員に認定

去る4月25日 午前8時, 記者は江原ランド側の事前同意を得て、ゲーム(開場時間 午前 9時〜翌日 午前 6時)開始を前にしてVIPルームを見て回った. 
2階に上がる階段には、がっしりしたカジノ職員を配置していた. 華麗なカーペットと室内装飾の4部屋には、30台のスロットマシンとブラックジャック, バカラ, ルーレット ゲームのための8台のテーブルが置かれていた. 下の階の一般カジノは制限された空間に、非常に多くの人々(概略一日の入場者 2000人)が入るために、一度席をはずした客は、テーブルゲームの椅子にまた座れない程に混雑するらしい. しかし、VIPたちは、似た空間を会員150余名が余裕を持って使う. 2階専用バーでは、彼らに酒と料理をただで提供する. 一般カジノとは違い、ゲームをすれば、酒を飲むことができる特典も与えられる. 

こういう所でゲームを楽しむ人々は、韓国社会の最上流層だ. 江原ランドが明らかにした、VIP会員の条件は、3000万ウォンをカジノに預置すること, ゲーム実績が高いことなどだ. このカジノ関係者は、“この他にも、職業の品位, 社会的地位, 財産程度を厳しく考慮する”と話した. 江原ランドによれば、VIP会員の90%は、ソウル−京畿地域を中心にした、有数企業体の社長たちだ. 

記者は、VIP会員 A氏に会った. 彼は、ゲーム費として3000万ウォンを持ってきて、一晩で1000万ウォンを失った. 企業体代表理事の彼は、“1ケ月に2度カジノにきて、2〜3日留まりながら普通は1000万ウォン程度失って行きます. 精神を集中してゲームした後、脱力した状態で睡眠をたっぷりとることが、私が生を再充電する方法ですよ”と話した. A氏は、過去には香港や米国ラスベガスに行ってカジノをしたのだが, 江原ランドが生まれて、そのような必要がなくなったと喜んだ. 江原ランドのテーブルゲーム担当者は、“A氏が持ってきた金と失った金額は、VIP顧客の平均支出規模に該当する”と話した. 

30代ベンチャー企業家 B氏は、ラスベガス留学時期にカジノを趣味とした. 1億ウォンを持ってきたというB氏は、バカラ テーブルに座って、一晩で5000万ウォンを儲けたことが知らされた.
 “カジノはスロットマシンで始まり、バカラで終わります. ブラックジャックが韓国ギャンブラーたちには最高人気ですが、真の高手(註:名人)はバカラを探します”(B氏). 
バカラはゲーム参加者がプレーヤー(player)とバンク(bank)中のひとつを選び、ベッティングした後、2枚または3枚のカードに書かれた数字の合計を比較し、9により近い側がディーラーからベッティングした金額ぐらいの金を受け取るゲームだ. 
敗れた側がベッティングした金は、ディーラーが取るのだが、客の悲喜が極端にわかれて、客たちの間に熾烈な競争心が現れることになる. バカラは、伝統的賭博の俗称‘ドリチュコテン(註:『おいちょかぶ』)’とゲーム方式が似ていたうえに、所要時間も短く、ベッティング金額も大きくて、カジノゲーム中最も賭博性が強いという評を聞く. 

江原ランドのVIPルーム中にバカラ専用ルームがある. そこは、大きさは最も小さいが、‘VIP中のVIP’だけのための空間だ. 
最大8人程度がゲームに参加できる、この部屋は、ゲーム一本の最低ベッティング額が300万ウォンに達する. 江原ランド関係者は、“ひと勝負をするのにかかる時間は2分程度で, VIPたちは総じて8組のカードが2度回る時までゲームをします(これを時間で換算すれば、4時間程度)”と話した. バカラ専用ルームでゲームをしようとするなら、どの程度の‘実弾’を持たなければならないのかが察せられる. 

江原ランドのディーラー C氏は、最近、VIPルームの花, バカラ専用ルームで行われたゲームを具体的に説明した. 彼が伝えるその部屋の風景は、映画‘至尊無上’のスケールと緊迫感にほとんど肉薄していた.
 “4名のVIPがきて、夜11時頃に始めました. この部屋では札束1000万ウォン分をテーブルにどっと積み上げても、ゲーム用チップ(100万ウォンに該当する黄褐色の最高額チップだ)を10個だけ手にするだけです. 大抵の客たちはチップをたっぷり替えます. 初めて一時間の間、ひと勝負にベッティングするチップは5枚を超えませんでした. ‘初戦はプレーヤーが勝って, 2度目から五回目の時まで、バンクが勝ち, 六回目の時は、プレーヤーがまた勝ちました. それなら…’ 客たちは、こういう方式で、紙に自分だけの絵を描きながら、ゲームに一貫して流れるような‘勝利の法則’をさがそうとします”(C氏). 

一般人にはブラックジャック, 名人にはバカラが最高人気

始めの3分の1は、たいていこういう‘探索戦’として展開する. 名人は後半3分の1でも、高額ベッティングを自制する. バカラの‘クライマックス’は、まさに、ゲームの中間時間帯でなされる. 
“ある客が確信したように、20個のチップをプレーヤーに注ぎ込みました. すると、ことごとに彼の反対側にベッティングした他の客たちも2000万ウォンをバンクにベッティング. 二人の間の緊張は頂点に達しました. その時の金は、合計6000余万ウォン. 一般カジノでは、客がカードを触ることができません. しかし、この部屋では、最高額ベッティングをした客にカードを渡して、結果を直接確認させます. 2000万ウォンをベッティングした客は、カードを精一杯見つめました. 彼は全身の気を注ぐように、口から‘ふう, ふうっ’と、カードへ息を吹き込んで、ゆっくりカードの終わり部分から開き始めました. これを‘スクイズ’というのですが、結局、その客が9, 反対側の客は7が出て、バンクが勝ちました. ゲームが終わった後、その客は、‘最後のカードを開ける時、心臓が爆発したようだった. 数字の合計が9であることを確認した瞬間、バンジージャンプをする時より、もっとドキッとした’と話しました”(C氏). 

‘社交の場’も良いけれど、違和感助長の憂慮の声も

バカラ専用ルームで、VIP会員D氏は‘伝説的人物’として通じる. 彼は、はじめから終わりまで、常に2000万ウォンをベッティングし続けるのだ. 
江原ランドのディーラー E氏は、“このように多くのお金を賭ける客は初めてでした. その客が、一日でベッティングした金額を全て合せれば、数十億ウォンには充分になります”と話した. 
VIP会員中には女性も何名かある. そのうち、20代後半のある女性会員は断然話題だ. 彼女はずば抜けた外貌に、常時正装でゲームに臨む端正なマナー, 若い年齢であるのに釜山で大きな店舗を経営する異彩を放つ経歴を持っている. 彼女は2週間に3〜4日は江原ランド カジノで送り, 特に彼女の卓越したバカラ実力は人々の耳目を集中させるのに充分だ. VIP 会員B氏は、“彼女は‘刀身’と呼ばれています”と話した. “彼女のスタイルは、ゲーム中ほとんど話さないし, 無理でなく、粘り強く数百万ウォンずつベッティングするのです. ところが、時を読む目が飛び抜けていて、連戦連勝です. こちらを訪ねる度に、だいぶ多くの金額のお金を稼いでいくため、ディーラーたちの間でも要注意人物で通じています”(B氏). 

江原ランドのVIPルーム. 混雑で揉合う状況の一般カジノとは違い、内国人が正しくカジノを楽しむことができる唯一の所だ. 江原ランド附近で韓国式食堂‘南の島会館’を経営するジョ・チュンファ氏は“4〜5名ずつチームを組んで、私たちの店を上得意に訪れるVIPたちが50人に達します”と話した. “カジノで初めて会ったというのに、VIPたちは即座に親しくなり、お互い‘お兄さん’‘弟’と呼ぶのです. カジノは友人を作る所です”(ジョ・チュンファン氏).

VIPルームを‘社交の場’として活用することは、カジノの設立趣旨にも符合する準機能であることは間違いない. 江原ランド 金光植 代表理事は “カジノは富の再分配をもたらす”と説明した. 昨年、‘公企業’江原ランドは、257億ウォンを国税として, 141億ウォンは観光振興基金と廃坑地域開発基金として, 50億ウォンは地方税として納付した. 富裕層が江原ランドで金を使うことは、事実上、税金をより多く払うことと違わないという話だ. この会社のイ・インピョン営業本部長は、“江原ランドは上流層の陰性的‘海外カジノ旅行’を減らし、国富流出を防止する効果もある”と話した.

しかし、一般市民たちには夢にも見れない巨額の賭博ゲームが、公企業営業場で公然と行われる現象に対して、全ての人々が肯定的な方向でだけ考えるだろうか. 論議沸騰の核心は、カジノゲームにかかった金の規模だ. 庶民は2分間のゲームひと勝負に数千万ウォンが行き来するのを見て、違和感を感じるかもしれない. 警察は今でも‘花札’賭博団を取り締まり、厳罰に処している. ところが、それに劣らない金が転げまわる、類似賭博場を政府自ら開いていることは矛盾でないかという批判も出てくる. ユン・チョルハン 経実連幹事は、“江原ランドのVIPルームは、私達の社会の価値判断に混乱をもたらす”と話した.



< ジョンソン=ホ・マンソプ記者 mshue@donga.com


風のように出入りするVIP会員たち 
身分露出時は色々な困難… CEO, 社会 指導層が大部分 


江原ランドのVIP会員たちがカジノを利用しながら最も注意する点は、まさに身分露出だ. 有力会社のCEOや、社会指導層が大部分なので、自身がカジノに出入したという事実自体が外部に公開されることを極度に敬遠するのだ. VIP会員 B氏は“うわさが広がれば、企業活動に支障を招きかねない. また、税務当局の注目を受けないか、心配になることもある”と話した. 

こういう理由のため、VIP会員たちの不満事項はVIPルームの空間配置に集中する. VIP会員は、ホテル1階ロビーの階段を通じてだけ、2階のVIPルームに上がることができる. ところが、右側に一般カジノ出入り口があって、階段周辺は常時人々で賑わっている. VIP会員としては、あまりにも目につきやすい構造であるわけだ. 江原ランド周辺のある人は、“開場初期には、一部芸能人がカジノを何回も利用したのに、結局身分露出問題のために、最近はほとんど利用しない”と話した. 

VIPたちのもう一つの不満は、カジノ側がVIPに似合った接待をしてくれないということだ. 客室や食事提供サービスの質が、まだ外国カジノよりも落ちていて、客が数千万ウォンを失っても、カジノ側はいわゆる‘ケピョン(註:おこぼれ)’を全く与えない等、適切な礼儀を守らないと指摘する. 江原ランド側は、“ラスベガスのシザーズパレスやラックス等、外国の有名カジノで劇的な接待を受けたVIP顧客が主にそのような不満を表します. カジノ経営を眼鏡レンズのように透明にしようとすれば、VIP顧客確保のためのマーケティングを粗雑にするしかありません”と説明した. 

江原ランド関係者は、特に空間問題と関連, 2002年開場するメインカジノ(現在運営中のカジノは相対的に規模が小さいという理由でスモールカジノという)では、こういう問題点を直すはずだと明らかにした. “VIP顧客を一般顧客とは徹底的に遮断するはずです. メインカジノでは、外部人が見ることができないように、VIP顧客のための専用駐車場を設置します. 駐車場からVIPルームに連結する通路も、外には表れません. 人々は誰がVIPルームに来たのか、全く わからないでしょう”(江原ランド関係者). 

カジノは何故VIP顧客にこのように細心な配慮をするのだろうか. 江原ランドの関係者は、“VIPが売上げで占める比重が大きいためです. また、カジノ産業はマーケティング側面で一定水準以上の品位維持が絶対必要とされ、VIPを抜いてはこれを達成するのが不可能です”と説明した.

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