2001年9月301号 週刊東亜

わたしの生のコードは自由
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[生] 'フリーター’は、どのように食べて、生きるのか

正規職業なく離職と転職を繰返し …
‘専門フリーランサー’ 夢見るけれど、現実は冷酷


キム・ジヒョンさん(仮名, 24)は、さる2月に大学を卒業した. 他の人々が認める名門大学で社会学と心理学を専攻したが、すぐに就職するつもりはなく、生活費はアルバイトで稼ぐ.
人々が挨拶のように“卒業後はどのようなことをするつもりなのか”と尋ねた時のために準備しておいた答えがある. ‘出版社の文書編集及び校正業務’が彼の公式アルバイトだ.
しかし、公式アルバイトは1ケ月に1週間か4〜5日程度で終わって、非公式アルバイトとして、高2, 高3 の課外指導をする. このようにして、1ケ月あたり80万〜90万ウォン程を稼ぐ. その程度なら最小限の生活が可能だという.

“大学4学年の1学期を終えて、1年休学しながらアルバイトをしました. その時、就職をしなくても食べていくことができるということを知りました. 卒業後、初めのうちは、事務補助, 学習誌ビデオ監修作業, モバイル会社でクイズ製作等、区別せずに仕事をしました. 仕事は友人を通じて知ったり、インターネットを検索すれば、容易にさがすことができます. ところが、あまり仕事を広げると遊ぶ時間がなくなるんです. 就職しないということは、したい事をするためだったのに、アルバイトにあまりに多くの時間を奪われて、放棄しましたよ.”

最小限の生活費を稼ぐ以外に、彼は最近、コンピュータ サークルでプログラミングとMIDを学んでいる. だからと言って、これを学んで必ずなにかをするという目標があるのではない.

“卒業後、半年程過ぎて友人の大部分がどこかに位置を占めたのですが、会う度にする話が、‘うんざりする’‘誰かの顔なんか見たくない’という不満ばかりでした. ‘おもしろい’話を聞いたことが一度もありませんよ. そんなことを見ると、就職する考えが消えますね. アルバイトしている会社から入社を誘われましたが拒みました. その仕事をするには、自分がもったいないですよ.”

日本ではキム・ジヒョンさんのように正規職就業の代わりにアルバイトで生きていく者を指して、フリーター(free + arbeiter)という. フリーターという言葉は、さる87年、就業情報専門会社のリクルート社が初めて使用したのだが、当時は、正規職に就職せずにしたい事をしながら気楽に暮らす少数の若者達を指し示した. 彼らは事務補助, コンビニエンスストアのアルバイトでお小遣を稼いで海外旅行したり、高級ブランド品を買う等、格好良い若者達に見えた.

しかし、昨年6月、日本の労働省が‘労働白書’で、1997年時点でフリーター数が150万名を超えたと発表した後、日本社会がばっさりひっくり返った. 日本労働研究所や文部省の進路調査で、大卒者は4人中1人, 高卒者は3人中1名ずつが正規職に進出せず, 20〜34才の未婚男女約1500万名中の10%以上がフリーターであるとわかり、より一層危機感が広まった. 2000年現在の日本のフリーター数は200万名だと推し量れる.

韓国の状況も、日本と比較すると、良いわけではない. 韓国労働研究院によれば、失業状態にあったり, 教育訓練を受けないのに、求職活動もしない青年(15〜29才)数が、2000年現在105万4000名だ(この統計上で失業者として分類される人は22万4000人だけ). わが国の青年100人中に12人は遊休人材ということになる. 彼らが、まさに韓国版フリーターである可能性が高い.

したいことのためならば、ただ働きでも良い

ビョン・ガプスさん(26)の公式肩書は、‘独立芸術祭’漫画プログラマーだ.
彼はすでに5年目になる独立芸術祭事務局の仕事をしているが、報酬を受けとったことがない. そのまま好きでしている. 最近は映画を作る仕事にも関与した. SF物で、アニメーション部分の企画や技術的部分を引き受け、肩書はアートディレクターだ.
2ケ月近くこの仕事をしながら、60万ウォン程度受けとったが、アニメーション製作費でより多くのお金がかかり、そのため、貸借対照表はマイナス状態だ. それでもしたい仕事だから続ける.

“したい仕事をしながらお金も儲かれば良いけど、それができないからアルバイトをするんですよ. 私はアルバイトも二種類だと見ています. 生活のためのアルバイトと、仕事と関連したアルバイトがありますよ. 生きるために食堂補助, ウェイター, 新聞配達もしました. 最近はPCバンのアルバイトとセマウル号のアルバイトだけをしています. セマウル号特室(註:いわばグリーン車)は、24時間音楽を再生するのでヘッドホンを貸し出すんです. 24時間勤めて隔日で1ケ月に50万〜60万ウォン程度は稼ぎます. 仕事としてするアルバイトは、ミュージックビデオや短編映画製作のように、私がしたくてするんです. ところが、この仕事をすると、お金をもうけるどころか、むしろお金を使いますね.”

フリーターになるのは、環境的要因と個人的要因とに分けて見ることができる. 日本でこの10年続いた長期不況で、企業が新規採用をせず、若年層の社会進出の機会が大幅に減ると、彼らがフリーターとして振り分けられた. 終身雇用神話が崩れながら、会社に対する忠誠度が急激に落ちたのも、フリーターになる一原因だ.

わが国も、IMF危機以後、求職をあきらめた若者達の間で、フリーターが一つのライフスタイルとして定着した. 韓国労働研究員調査によれば、学校を終えて初仕事の場を得るまでに平均8.5ケ月がかかる. それさえも、3分の1程は下方就業あるいは働き口不一致(専攻・系列)状態なので、社会新人たちはいつ放棄するかもしれない不安な出発をしている.

さる7月末、延世大 就職情報室が発表した‘2001年下半期 大卒就職気象図’を見ると, 求職者は来年卒業予定者17万名と就職浪人生26万名を合せた43万名である一方、181企業が選ぶ大卒新入社員は7万3000余名に過ぎなかった.
企業に就職しようとするなら、平均 6対1の競争率をくぐらなければならないという話だ.

慶煕大 就業情報室のイ・ジョング博士は、“求職者渋滞現象で、就業サイクルもずっと短くなっている”と話す. すなわち、さる8月に卒業した学生は、10月中に就職機会を得られず、次の機会を狙えば、来年2月卒業予定者との競争で押し出される. 2月卒業予定者も、やはりその年の5月までがマジノ線だ. 企業は5月以後、8月まで新規採用をせず、直ちに下半期採用を実施し、すこしでもより‘新鮮な’卒業生が有利だ.

こういう状況で、予備社会人は2つの道からひとつを選択しなければならない. 6対1の競争に勝ち抜くために就職に総力を傾けるか, でなければ、いっそのこと就職レースの外に出るか. 後者ならば、白首(註:無職)かフリーターになるしかない.

大学卒業後、アルバイト, 留学, 短期職場生活, また、白首に近いアルバイト生活末に、さる3月に白首人生(www.100soo.co.kr)というサイトを開いた シム・ジェコン社長(31)は、“フリーターも広い意味の白首ではないだろうか. わが国の教育システムと保守的な雰囲気が白首を量産する”と指摘した.

“私達の社会のシステムは、ものすごく保守的です. 例えば、入社面接時に、大学卒業後2〜3ケ月程度旅行に行って遊んだと言えば、採用する会社はありませんよ. いっそ、留学しようと準備していたが事情があってあきらめたと嘘をつくほうがはるかに有利です. 遊ぶ姿を見ようとしないのです. また、職場を求める人に仕事の経歴を要求するのですが、経歴ではなく能力を見るべきでしょう. 会社が旧時代的価値を重視する反面、白首の考えは社会的通念をはるかに超えているんです. ナイントゥファイブ(9 to 5)のような、苦しい組織生活を拒否して、個性を持って生きたいのですよ. そのギャップがあまりにも大きいです.”

シム・ジェコン社長は、働き口量産に及々とする政府の失業対策と“いまだに求人難の分野が多く、働き口が余っているのに失業者がこのように多いということは、職業を探す人にも問題がある”というぐあいの報道態度に問題があると話す.

“少し前、大邱で環境美化員を採用したのですが、7.3対1の高い競争率に大学院まで終えた40代が合格したという報道を見ました. 職業に貴賎がないとしても、これは正常な状況ではありません. 社会的浪費ですよ. 大部分の自発的白首は、望む仕事が出来ないならば、いっそ貧しい白首生活を続けるという人です. 彼らに関心のないことをどんなに提示しても効果がないですよ.”

フリーターたちは、父母の経済的援助, 最小限の生活費を稼ぐことができる働き口, そして、独身という共通点を持っている. だが、逆に父母がこれ以上経済的援助が出来なくなった場合, 三十を越えてコンビニエンスストアーやファーストフード店のようなパートタイムアルバイトが適当でない場合, そして、結婚相手ができた場合等、自分の意志とは異なり、フリーター生活に終止符を打つべき時がくる. 問題は、前面に押し出す経歴もなく, 熟練した技術もない彼らを受け入れる所がないという苛酷な現実だ.

既にフリーターの歴史が長い日本で、昨年39才未満の未婚フリーター270人を対象に、‘10年後の理想的な就職形態’(‘表’参照)を調べた. 結果的に、今後もずっとフリーターをするという人は多くなかった. 彼らが最も理想的に選ぶ職業は、自由専門職(専門フリーランサー). しかし、現実的に中小企業の正社員になる可能性が最も高いと、自らの未来を予想した. 女性の場合、理想と現実どちらも‘配偶者の扶養を受けて今のような生活を続ける’という回答が最も多く、安易な職業意識をあらわした.

“保守的な教育システム, 社会の雰囲気が‘白首’量産”

日本社会に‘parasite シングル’(parasite single: 父母に頼って暮らして、アルバイトで人生を楽しむ独身者)という言葉を流行させた山田昌弘 教授(東京学芸大 教育部)は、このような調査結果を土台に、時事月刊誌‘文芸春秋’7月号に‘200万フリーターに明日はない’という文を寄稿した. ここで山田教授は、“今のフリーターとは、企業に利用される値段が安い使い捨て労働力に過ぎない”と辛らつに批判することもした.

実際に、フリーターの夢のフリーランサーの現実も、自由に仕事をして高所得を上げるからは道が遠い. 正規職社員になるより、はるかにより熾烈な職業意識を要求されるのがフリーランサーの世界だ. 三星映像事業団 公演企画者として独立したキム・ウィシンさん(32)は、“会社を放棄した後、自由を得ただけに気苦労が激しい”と話す.

“会社で仕事をしていた時は、いろいろな人がアイデアを集めてシナジー効果を得ることができたのですが、いまは全的に一人でアイデアを出さなければならないから難しい時が多いのですよ. また、会社業務は開始と終わりがありますが、フリーランサーは眠る時間を除けば、すべて仕事をする時間である場合もあります. 時間が多いようなのに、実際はそれほどないのがフリーランサー生活でしょう. 会社に通っていた時は、2ケ月に一度程度は美容室に行ったのに、最近は4ヶ月に一度、それもカットだけしてきます. 時間があまりないからですよ. 夏期休暇ですか? まだ行けません. 9月に出張を兼ねて、英国, ドイツ, オーストリアを廻ってくる計画なんです. 初めは、休暇として計画したのですが、来るなら会おうという人が多くて、出張になってしまいましたよ.”

キムさんは組織生活を一度もしてみないでする仕事に関しては、‘えーと’という反応を見せた.

 “天才的才能を持ったアーティストであれば可能でしょう. フリーランサーとしても、結局、いろいろな人が集まってチームワークでする仕事が多いため、組織経験が重要ですよ.”

文化企画者であり、評論家, インディロックバンド‘ホボクチ’のリーダーとして20代の大部分をしたい事をしながら生きてきた アン・イ・ヨンノさん(35)は、現在のフリーター問題を単純に失業救済次元で見ることができないと話す.

プロになることができるようにインキュベイティングシステム必要

“フリーターになることは、一種の社会文化的トレンドです. 就職する機会が制限的な社会構造的原因もあるけれど、個人主義的方式で生きようとする意識の問題ということでしょう. いままで、私達の社会は組織に入らない生を認めなかったのですよ. しかし、既に多くの若者が企業に就職しなくても生きていく方法を探しています. 政府が雇用創出ばかりすることはないのですよ. 若い世代は、終生願わない仕事に縛られて生きることを、過去の農奴と違わないと考えるのです. いっそ、フリーターになりますよ. 今は、働き口を作ってやるのとは違って、プロになることができるようにインキュベイティング システムが必要とされています. どのようなことをしても、自ら24時間を管理できる能力を育てるのです. 自分が願うことを明確に知っているならば、終生アルバイトをして生きても、問題になる必要はないと思います.”

彼は人生を設計するのに3W法則を提示する.
最初のwishは、他者が期待する生(医師・弁護士 等、社会的成功), 二つ目のwantは、自分が願う生(持って生まれた能力に関係なくしてみたいこと), 三つ目のwellは、現在、自分が上手にやることができること, いままで多くの人がwishをwantだと錯覚して生きてきた可能性が高い. また、wellにすがってみると、wantの可能性を忘れてしまう. フリーターは現実的ではなくても、wantに忠実な人だということができる.

“386世帯やソテジ世代は、すでにしたい仕事をするというよりは、している仕事を好きになるというように自己を変える段階になりました. いつまでも好きなことばかりをして生きるということはできず, 反面、自分がどんな仕事に身を置けば、その仕事にずっと愛情を持ち続けられるか考えるべきだということでしょう.”

アン・イ・ヨンノさんは ‘したいこと’と関連した選択の悩みが、単にフリーターにだけ該当するのではないと話す. 6対1の競争に勝ち抜いて、誰よりも早く現在の職業と職場に安住した人も、似たような苦悶に陥る. そのような点で、フリーターは、自身がしたい仕事をあまりに早くから知っていたり, 反対にあまりにも遅く悟った人だ.



< キム・ヒョンミ 記者 > khmzip@donga.com


 

ハジャセンター ‘ティーンエージャーのアルバー サバイバル キャンプ’

仕事・遊び・学び 持続して生きていく方法摸索

ガソリンスタンドで コンビニエンス ストアーで マクドナルドで仕事をすることが 全部で ない. ハジャ(註:「やろう」)センターの ‘ティーンエージャーの仕事と遊び支援センター’(www.njoyalba.net)が企画した‘ティーンエージャーのアルバー サバイバル キャンプ’(8月11〜13日)は、仕事・遊び・学びが断絶せずに生きていく方法を模索する場だ. 今回のキャンプには80余名が参加して、大部分が色々なアルバイトを経験しながら既に仕事を経験した子供達が多かった. 彼らが知っている仕事とは、コンビニエンスストア, ファーストフード店, チラシ配り, 遊興街でのアルバイトと、わずかなのだが、このようなアルバイトは、一抹のお金になっても、成長の機会からは道が遠い.

このキャンプは、主題把握ワークショップ, 正当防衛サバイバルゲームと共に、自身の内面をながめるプログラムとアイデアつかみ, 現場開拓ケーススタディ, 企画書作成, パートナーシップ育てのような実務を身に付けることを行った. これを通じて参加者たちは、“したい事をしながら, また、しなければならない事もある”という現実, “見えている道の外にも世の中がある”ということを悟る.

“アルバイトが子供たちにとって職業的モデルになることはありません. それを機会として、自分の仕事として作って、創業もできるようにするべきですよ. 私達の社会には父母の経済的背景や学歴資本で生きていく文化白首たちがあるのですが、生産性はないと思います. 子供たちに、仕事を通じて、自分を管理できて自ら学ぶようにすることが必要だと考えます”
(ハジャセンター ジョン・ヒョグァン 副所長).